DX

ディーエックス

公開：2024-11-19

日立と東邦ガスが水素供給低コスト化に向けたフィジビリティスタディを開始、地域再エネ活用による脱炭素化を推進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 日立と東邦ガスが環境省の公募事業に採択
• 地域再エネを活用したクリーン水素製造のFS開始
• 水素供給の低コスト化による地域サプライチェーン構築へ

日立と東邦ガスの水素供給低コスト化に向けたFSプロジェクト開始

日立製作所は東邦ガスとともに、環境省の公募事業「令和6年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業」に2024年11月18日採択された。地域再生可能エネルギーを活用したクリーン水素製造に関するフィジビリティスタディを実施し、水素の製造から供給までの一貫したサプライチェーンモデルの構築をめざすものとなっている。^[1]

東邦ガスの知多e-メタン製造実証施設を拡張し、地域製造業の工場から回収されたCO2を活用してe-メタンを製造する計画が進められている。日立は再生可能エネルギー由来のクリーン水素製造プロセスを担当し、水素製造におけるシミュレーションを実施することで、効率的な運用体制の確立を図っている。

愛知県も協力自治体として参画しており、低炭素水素製造に必要な再生可能エネルギー電力供給に関する情報提供などで連携体制を構築している。FSを通じて得られたノウハウは、他地域への展開も視野に入れており、地域の脱炭素化に向けた取り組みの加速が期待されている。

水素供給低コスト化プロジェクトの概要

フィジビリティスタディについて

フィジビリティスタディとは、事業や計画の実現可能性を評価・検討する調査のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 技術面、経済面、環境面など多角的な実現可能性を検討
• リスクや課題の早期発見と対策立案が可能
• 投資判断や事業計画の策定に重要な指標を提供

本プロジェクトでは、水素製造における再生可能エネルギーの活用やCO2の回収・運搬など、複数の要素技術の統合に関する実現可能性が検討されている。既存のインフラを活用しながら、経済性と環境性を両立させた水素サプライチェーンの構築に向けた重要な調査となっている。

水素供給低コスト化プロジェクトに関する考察

地域の再生可能エネルギーとLNG冷熱を組み合わせた水素製造アプローチは、エネルギー効率と環境負荷の両面で優位性が高いと評価できる。既存のインフラを最大限活用することで初期投資を抑制しつつ、地域資源の有効活用を図る本プロジェクトの手法は、他地域への展開も期待できるだろう。

一方で、再生可能エネルギーの出力変動への対応や、水素製造設備の運用最適化など、技術面での課題も存在している。こうした課題に対しては、日立の制御技術を活かしたエネルギーマネジメントシステムの導入や、東邦ガスの既存インフラとの連携強化が有効な解決策となり得るだろう。

将来的には、地域間での水素融通や、より大規模な水素利用への展開も視野に入れる必要がある。本プロジェクトで構築される知見やノウハウは、日本全体のカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「日立が東邦ガスと、環境省の公募事業「令和6年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業」に採択され、フィジビリティスタディを開始 | 株式会社 日立製作所のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000407.000067590.html, (参照 24-11-19).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「DX」に関するコラム一覧「DX」に関するニュース一覧