Craifが尿中マイクロRNA解析による早期がん検知技術を開発、感度98.2%の高精度識別を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

尿中エクソソームのマイクロRNAによるがん検知を達成
ナノワイヤで2000種以上のマイクロRNAを発見
肺がん・脳腫瘍・非がんの3分類が可能に

Craifの尿中マイクロRNA解析による早期がん検知技術

Craif株式会社の技術顧問・共同創業者である安井隆雄教授らの研究チームは、尿中エクソソームのマイクロRNA解析による早期がん検知を実現し、2024年10月18日付で学術雑誌「Analytical Chemistry」に研究成果が掲載された。研究チームはナノワイヤを用いて尿中から2000種以上のマイクロRNAを発見し、がん患者と非がん患者の識別を可能にしている。^[1]

研究チームが構築したマイクロRNAアンサンブルは、がん患者と非がん患者の尿中マイクロRNAパターンを高精度で識別することが可能となり、感度98.2%、特異度96.5%という優れた精度を達成した。早期がん患者の識別においてもAUROC値0.987を記録し、高い診断能力を示している。

さらに研究成果は肺がんと脳腫瘍の識別にとどまらず、大腸がんや子宮内膜がん、腎がんなど計11種類のがんに対する早期発見への応用可能性も示唆している。尿中マイクロRNA解析による非侵襲的ながん診断技術は、がん医療の新たな可能性を切り開くものとなっている。

がん検知技術の研究成果まとめ

項目	詳細
発見されたマイクロRNA	2000種以上
がん識別精度	感度98.2%、特異度96.5%
早期がん識別能力	AUROC 0.987
識別可能ながん種	肺がん、脳腫瘍、大腸がん、子宮内膜がん、腎がん、白血病、リンパ腫、膵がん、前立腺がん、胃がん、尿路上皮がん
使用技術	ナノワイヤによる尿中エクソソームの網羅的捕捉

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エクソソームについて

エクソソームとは、全ての細胞から放出される微粒子のことで、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

直径40-200nmの微小な粒子
細胞間コミュニケーションの情報伝達物質
マイクロRNAなどの生体情報を含有

エクソソームは血液中から尿中へと排出される過程で、がんに関連する重要な生体情報を運搬している。ナノワイヤを用いた新技術により、尿中のエクソソームを網羅的に捕捉することが可能となり、がんの早期発見に向けた新たな診断手法として注目を集めているのだ。

尿中マイクロRNA解析によるがん検知に関する考察

尿中マイクロRNA解析技術は、従来の血液検査や画像診断に比べて患者への負担が少ない非侵襲的な検査方法として革新的な可能性を秘めている。特に早期がん患者の識別において高い精度を示していることから、がんの早期発見率向上に大きく貢献することが期待できるだろう。

今後の課題として、より多くのがん種への応用可能性の検証や、検査の標準化プロセスの確立が挙げられる。特に多施設での大規模な臨床試験を通じて、検査の再現性や信頼性を確認することが重要となるだろう。

将来的には、定期健康診断への組み込みや、がんスクリーニング検査としての実用化が期待される。また、AI技術との組み合わせによる診断精度の更なる向上や、個別化医療への応用など、医療分野に革新的な変化をもたらす可能性を秘めているのだ。

参考サイト

^ PR TIMES. 「Craif、技術顧問・共同創業者安井隆雄の尿中エクソソームのマイクロRNA解析による早期肺がん・脳腫瘍の検知に関する研究成果が学術雑誌「Analytical Chemistry」に掲載 | Craif株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000209.000041883.html, (参照 24-11-20).

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