ウルシステムズがauカブコム証券の開発環境を自動化、IaCツールの活用で構築作業を2週間から1日に短縮

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • ウルシステムズがauカブコム証券の開発環境を自動化
  • 構築作業の工数を2週間から1日に短縮
  • IaCツールによる作業の完全自動化を実現

ウルシステムズによるauカブコム証券の開発環境改善プロジェクト

ウルシステムズ株式会社は、auカブコム証券株式会社の開発環境構築作業を自動化し、俊敏な機能開発を可能にする仕組みを2023年6月にリリースした。auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループとKDDIのジョイントベンチャーとして様々なサービスを提供しており、システムの内製化を推進している企業として知られている。[1]

開発環境の構築作業効率化において、基幹業務システムの詳細な分析を通じて各機能の動作に必要な最小限の構成を明確化することに成功した。環境構築の対象を絞り込むことで作業工数を2週間から1日へと大幅に短縮し、開発チームが自律的に環境を構築できる体制を整備したことで、開発効率が飛躍的に向上している。

さらにIaCツールを活用して手順をコード化し、構築作業を完全自動化することで、開発プロジェクトの同時並行実施が可能になった。従来は環境構築の負荷が高く開発プロジェクト数に制約があったが、新しい仕組みによってサービス強化のスピードアップとインフラコストの大幅な削減を実現している。

開発環境改善の特徴まとめ

項目 詳細
プロジェクト実施企業 ウルシステムズ株式会社
対象企業 auカブコム証券株式会社
リリース時期 2023年6月
主な改善点 開発環境構築の作業工数を2週間から1日に短縮
導入技術 IaCツールによる環境構築の自動化
実現した効果 開発プロジェクトの同時並行実施、インフラコスト削減
プロジェクトの詳細はこちら

IaCツールについて

IaCツールとは、Infrastructure as Codeを実現するためのソフトウェアツールのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • インフラストラクチャの構成をコードとして管理可能
  • 環境構築の自動化と再現性の向上を実現
  • バージョン管理とコード化による属人化の防止

auカブコム証券の事例では、IaCツールを活用することで開発環境の構築作業を自動化し、作業時間を大幅に短縮することに成功した。IaCツールの導入によって手順のコード化と完全自動化が実現し、開発効率の向上とインフラコストの削減という二つの課題を同時に解決している。

開発環境の自動化に関する考察

ウルシステムズによる開発環境の自動化は、システムの内製化を進める企業にとって重要な示唆を含んでいる。特にモノリシックなシステム構成を持つ企業において、開発環境の構築作業は大きな負担となっており、IaCツールを活用した自動化の実現は同様の課題を抱える企業にとって参考になるだろう。

一方で、開発環境の自動化を成功させるためには、システムの詳細な分析と最適な構成の見極めが不可欠である。システムの複雑性が増す中、適切な分析なしでの自動化は却って運用の混乱を招く可能性があり、段階的なアプローチと継続的な改善が重要になるだろう。

今後の展開として、クラウドネイティブな環境への移行やマイクロサービス化の進展に伴い、より柔軟な開発環境の構築が求められる。自動化の範囲を段階的に拡大しながら、新しい技術やアーキテクチャへの対応を進めていくことで、さらなる開発効率の向上が期待できる。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「ウルシステムズ、auカブコム証券の開発環境を改善 | ウルシステムズ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000116275.html, (参照 24-11-27).

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