プログラミング

PROGRAMMING

公開：2024-11-27

Deno LandがJavaScript商標の取り消しを申請、プログラミング言語名称の一般利用への道筋を模索

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• DenoがJavaScript商標の取り消しを米国特許商標庁に申請
• JavaScriptの商標が一般名称化していることが主な根拠
• オラクルの商標更新時の不正な証拠提出も指摘

DenoがJavaScript商標の取り消しを米国特許商標庁に申請

JavaScriptランタイム「Deno」の開発元であるDeno Landは、2024年11月22日にオラクルが所有するJavaScriptの商標登録の取り消しを米国特許商標庁に申請したことを公開した。この申請では、JavaScriptという用語が世界中の開発者やコミュニティで一般的に使用されており、特定企業の商標として保護すべきではないという主張が展開されている。^[1]

取り消し申請の根拠として、JavaScriptが既に一般名称化していることに加え、オラクルが2019年の商標更新時にNode.jsのスクリーンショットを自社の商用利用の証拠として提出するなど、不正な手続きを行っていた点が指摘されている。オラクルによる商標の実質的な不使用も、取り消しを求める重要な論点として挙げられているのだ。

現在、JavaScriptという名称の制限により、多くのカンファレンスがJSConfという略称を使用せざるを得ない状況にある。言語仕様もECMAScriptという名称を使用しており、Deno Landはこれらの制限を取り除き、JavaScriptという名称を自由に使用できる環境を目指している。

JavaScript商標取り消し申請の要点まとめ

商標の一般名称化について

商標の一般名称化とは、特定の商標が一般的な用語として広く使用されるようになり、もはや特定の企業や製品を示す識別力を失った状態を指す。以下のような特徴がある。

• 一般消費者や業界で広く普及した用語となっている
• 商標権者による独占的な使用が困難になっている
• 法的保護が困難になり商標権が失効する可能性がある

JavaScriptの場合、ECMA-262仕様で定義されたプログラミング言語を指す一般的な用語として世界中で使用されている。オラクルは言語の仕様や使用方法を管理しておらず、数百万の開発者やコミュニティが独自にJavaScriptを利用している状況にある。

JavaScript商標取り消し申請に関する考察

JavaScript商標の取り消し申請は、オープンソースコミュニティにとって重要な転換点となる可能性を秘めている。JavaScript関連のカンファレンスや教育コンテンツ、開発者コミュニティが名称の使用に関する法的リスクから解放され、より自由な活動が可能になることが期待されるだろう。

一方で、商標権の取り消しには法的な複雑さが伴うため、オラクルが異議を申し立てた場合は長期化する可能性もある。Deno Landが提出した証拠の質と量、特に商標の一般名称化や不正使用の立証が、今後の proceedings の行方を左右する重要な要素となるだろう。

JavaScript商標の帰属に関する議論は、プログラミング言語やソフトウェア技術の知的財産権の在り方に新たな示唆を与える可能性がある。今回の申請を機に、技術コミュニティと企業の知的財産権の関係性について、より広範な議論が展開されることが望まれる。

参考サイト

1. ^ Deno. 「Deno v. Oracle: Canceling the JavaScript Trademark」. https://deno.com/blog/deno-v-oracle, (参照 24-11-27).

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