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公開：2024-08-08

キヤノンMJがサグリに出資、衛星データとAI技術で農業DXと環境問題解決へ

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• キヤノンMJがサグリへ出資を実施
• 衛星データとAI技術を活用した農地管理ソリューションを提供
• カーボンクレジット取得支援で温室効果ガス削減に寄与

キヤノンMJのCVCファンドを通じたサグリへの出資

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通じて、サグリ株式会社への出資を2024年8月8日に発表した。サグリは衛星データとAI技術、農地区画の自動認識技術を組み合わせたデータプラットフォームを構築し、グローバルで農業分野や気候変動の課題解決に取り組むスタートアップ企業だ。^[1]

この出資の背景には、キヤノンMJグループが2024年1月に立ち上げた「R&B推進センター」の存在がある。同センターは未来志向で社会課題を解決するための新事業創出を目指しており、スタートアップ企業や教育機関、行政とのオープンイノベーションを推進している。サグリの技術は、特にアジアに多い小規模農地の管理に強みを持ち、既にアジア諸国の政府機関との連携実績もある。

サグリの技術は、農地管理の効率化だけでなく、肥料使用量の削減による農家の利益向上にも貢献する。さらに、農地の利用状況変化を衛星データで解析し、農家の脱炭素の取り組みを裏付けることで、カーボンクレジット取得の支援を行い、温室効果ガス排出量の削減に寄与することを目指している。キヤノンMJグループは、この出資を通じて「カーボンニュートラルの実現」や「一次産業の高付加価値化」という新たな事業創出を目指している。

キヤノンMJのサグリへの出資概要

カーボンクレジットについて

カーボンクレジットとは、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を認証し、取引可能な形にしたものを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 企業や国家間で取引可能な排出権
• プロジェクトベースで排出削減量を算定・認証
• 市場メカニズムを活用した温室効果ガス削減手段

カーボンクレジットは、温室効果ガスの排出削減や吸収に貢献したプロジェクトに対して発行される。例えば、再生可能エネルギーの導入や森林保全活動などが対象となる。企業は自社の削減目標達成が困難な場合、このクレジットを購入することで排出量をオフセットできる仕組みだ。サグリの技術は、農地の利用状況変化を正確に把握することで、農業分野におけるカーボンクレジットの創出と取引を支援する可能性を持っている。

キヤノンMJのサグリへの出資に関する考察

キヤノンMJのサグリへの出資は、農業のデジタル化と環境保護の両面で大きな可能性を秘めている。しかし、農業分野でのデータ活用には、個人情報保護や土地所有権に関する複雑な法的問題が生じる可能性がある。また、衛星データの精度や解析技術の信頼性について、農家や規制当局から厳しい検証を求められる可能性も高いだろう。

今後、サグリの技術がより広範囲の作物や地域に対応できるよう、AIモデルの拡張や衛星データの解像度向上が期待される。さらに、気象データや土壌センサーなど、他のデータソースとの統合により、より精密な農業管理や収穫予測が可能になるかもしれない。キヤノンMJのイメージング技術との連携で、ドローンを使用した高解像度の空中写真データの統合など、新たな展開も考えられる。

長期的には、この取り組みが日本の農業の競争力向上や食料安全保障に貢献することが期待される。同時に、農業分野でのカーボンクレジット取引の標準化や、国際的な認証制度の確立にも影響を与える可能性がある。キヤノンMJとサグリの協業が、技術革新を通じて農業のサステナビリティと生産性の両立を実現し、グローバルな食糧問題や気候変動対策に新たな解決策をもたらすことを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「CVCファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通じて衛星データやAI技術を活用した農地管理ソリューションを提供するサグリへ出資 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001141.000013943.html, (参照 24-08-09).

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