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公開：2025-01-30

鹿島建設が鉄骨梁端部の接合部を合理化する鹿島式ストレート梁工法を開発、品質と生産性の向上を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 鹿島が鉄骨梁端部の接合部を合理化する新工法を開発
• 水平ハンチ不要で高い構造性能と作業効率を実現
• 札幌4丁目プロジェクトなど8件の工事に採用

鹿島式ストレート梁工法の開発による品質と生産性の向上

鹿島建設は高層建築物の鉄骨梁端部の接合部を合理化した「鹿島式ストレート梁工法」を2025年1月29日に発表した。この新工法ではCFT柱と鉄骨梁の接合部に孔あき鋼板ジベルを用いた補強技術を活用することで、水平ハンチの取り付けが不要になり、柱周辺のスペースを有効活用できるようになっている。^[1]

阪神・淡路大震災での鉄骨大梁端部の破断被害を受けて開発された従来の水平ハンチ工法では、柱周辺の設備配管スペースが制限され、鉄骨製作の加工手間や現場溶接作業量が増加するという課題があった。新工法ではジベルによる接合部補強技術により、これらの課題を解決し、構造性能を維持しながら作業効率を大幅に向上させることが可能になっている。

現場溶接ロボットによる梁下フランジの上向き溶接と組み合わせることで、ジベルなしでも構造性能の向上が図れる特長がある。また、日本建築センターの一般評定を取得しており、柱梁接合部を模した部分骨組の構造実験でも、ジベルによる補強効果と十分な変形性能を確認している。

鹿島式ストレート梁工法の特徴まとめ

孔あき鋼板ジベルについて

孔あき鋼板ジベルとは、鋼材とコンクリート間の応力伝達を可能とする接合技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 鋼材とコンクリートの一体化を実現する接合部材
• 高い構造性能と施工効率を両立
• 柱梁接合部の補強効果を発揮

従来の水平ハンチ工法と比較して、孔あき鋼板ジベルを用いた接合技術は施工性と構造性能の両面で優れた特性を持つ。CFT柱の内部にジベルを溶接して取り付け、柱内のコンクリートと一体化することで、効果的な補強を実現し、水平ハンチが不要となる構造システムを構築している。

鹿島式ストレート梁工法に関する考察

鹿島式ストレート梁工法の開発は、建築物の構造安全性と施工効率の両立という観点で画期的な進展である。特に設備配管スペースの確保や溶接作業量の削減は、建築現場における作業効率の向上に大きく寄与することが期待できるだろう。

今後は高層建築物の需要増加に伴い、さらなる施工効率の向上と品質管理の徹底が求められる。現場溶接ロボットとの組み合わせによる新たな施工技術の開発や、より効率的な品質管理システムの構築が課題となるだろう。

また、CFT造建物の普及に伴い、鹿島式ストレート梁工法の適用範囲が拡大することが予想される。今後は様々な建築条件下での実績データの蓄積や、さらなる技術改良による適用範囲の拡大が期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「鉄骨梁の製作手間と現場溶接量を削減 「鹿島式ストレート梁工法」を実導入 | 鹿島建設株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000116603.html, (参照 25-01-30).

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