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公開：2025-03-01

50歳以上のITエンジニア転職者数が5年で4.3倍に増加、レガシーシステム対応スキルの需要拡大で待遇も改善

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 50歳以上のITエンジニアの転職者数が5年で4.3倍に増加
• 2025年の崖問題によりレガシーシステム人材の需要が拡大
• 50歳以上の転職者で賃金が1割以上上昇した割合が20.8%に

50歳以上のITエンジニアの転職需要が拡大、レガシーシステム対応が背景に

株式会社リクルートは2025年2月28日、50歳以上のITエンジニアの転職動向に関する調査結果を発表した。リクルートエージェントにおける50歳以上のITエンジニア職の転職者数は2019年と比較して2024年には4.3倍に増加しており、経済産業省が指摘する2025年の崖問題への対応が背景にあることが明らかになった。^[1]

レガシーシステムの維持管理や刷新に必要なCOBOLなどのプログラミング言語のスキルを持つ人材が不足しており、50歳以上のITエンジニアの需要が高まっている。2024年の調査では50歳以上の年代でのみCOBOLが上位10言語にランクインしており、豊富なトラブルシューティングの経験や若手育成の経験も評価されている。

転職時の待遇面でも改善が見られ、50歳以上のITエンジニアで転職時に賃金が1割以上上昇した転職者の割合は2019年の12.9%から2024年には20.8%まで増加した。IT人材全体の不足を背景に、50歳以上のエンジニアの市場価値が高まっていることが示されている。

50歳以上のITエンジニアの転職動向まとめ

レガシーシステムについて

レガシーシステムとは、長期間使用され続けている古い基幹システムのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• システムの複雑化やドキュメント整備の不足による保守運用の困難さ
• 他システムとのデータ連携における課題の存在
• 維持管理費の増大やデータ活用の制限

経済産業省の調査によると2025年には稼働開始から21年以上経過する基幹系システムが6割に達する見込みとなっている。老朽化が進むことでセキュリティリスクやシステムトラブルのリスクが高まるため、クラウド化などの刷新が求められている。

50歳以上のITエンジニアの転職需要に関する考察

レガシーシステムの維持・刷新ニーズの高まりは、50歳以上のITエンジニアに新たなキャリアチャンスをもたらしている。COBOLなどの古い言語のスキルを持つエンジニアの希少性が増しており、若手エンジニアではカバーできない領域での活躍が期待されている。

一方で、レガシーシステムの刷新が進むにつれて、従来型の技術だけでは通用しなくなる可能性も考えられる。クラウドやモダンな開発言語など新しい技術の習得に積極的に取り組むことで、より幅広いキャリアオプションを確保することが重要になるだろう。

企業側も年齢にとらわれない採用基準の設定や、シニアエンジニアの経験を活かした技術伝承の仕組みづくりが求められる。レガシーシステムからの移行を円滑に進めるためには、経験豊富なエンジニアの知見を最大限に活用することが不可欠だ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「50歳以上のITエンジニアの転職が5年で4.3倍に 背景には「2025年の崖」問題 老朽化したシステムの維持・刷新に不可欠な人材の需要が高まる | 株式会社リクルートのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002947.000011414.html, (参照 25-03-01).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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