OBCとPayPayが給与デジタル払いで連携、2025年春頃にサービス開始予定

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
OBCとPayPayが給与デジタル払いの機能連携で基本合意
OBCとPayPayの給与デジタル払い連携の概要
給与デジタル払いについて
給与デジタル払いの連携に関する考察
参考サイト

記事の要約

OBCとPayPayが給与デジタル払いで連携
基本合意を締結し機能開発へ
2025年春頃にサービス提供予定

OBCとPayPayが給与デジタル払いの機能連携で基本合意

株式会社オービックビジネスコンサルタント（OBC）とPayPay株式会社は2024年8月21日、給与デジタル払いの機能連携に関する基本合意を締結したと発表した。この連携により、OBCの『奉行Edge 労務管理電子化クラウド』とPayPayの「PayPay給与受取」サービスが機能的に統合され、企業のバックオフィス業務の効率化と従業員の利便性向上が期待される。^[1]

この基本合意は、2023年4月の労働基準法施行規則改正により可能となった給与デジタル払いの普及を見据えたものだ。OBCは従来から給与デジタル払いに対応したシステム開発を検討しており、一方PayPayは2024年8月9日に資金移動業者として厚生労働大臣の指定を受けたばかりであった。両社の協力により、企業は従来の給与支払い方法に加えて、新たな選択肢を効率的に導入できるようになる。

本連携サービスは2025年春頃の提供開始を予定している。具体的には、PayPayアカウントで給与を受け取るための「給与受取口座」と「PayPayマネーアカウント（給与受取）」が設定され、雇用主はこの口座に給与を振り込むことで、従業員はPayPay残高として給与を受け取ることが可能になる。これにより、従業員の口座情報収集や管理の手間が軽減され、バックオフィス業務の効率化が実現する。

OBCとPayPayの給与デジタル払い連携の概要

	OBC	PayPay
提供サービス	奉行Edge 労務管理電子化クラウド	PayPay給与受取
主な機能	給与計算・労務管理	給与デジタル払い
対象ユーザー	企業（雇用主）	従業員
連携のメリット	バックオフィス業務の効率化	給与受取の利便性向上
サービス開始予定	2025年春頃

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給与デジタル払いについて

給与デジタル払いとは、従来の銀行口座への振込に代わり、資金移動業者の口座（デジタルウォレット）に給与を支払う新しい方法のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

即時性が高く、給与日にすぐ利用可能
スマートフォンアプリなどで簡単に残高確認や利用が可能
従来の銀行口座を持たない人でも給与受取が可能

給与デジタル払いは2023年4月の労働基準法施行規則改正により可能となった新しい給与支払い方法だ。OBCとPayPayの連携により、企業は『奉行クラウド』を通じて従来の金融機関口座への給与支払いと「PayPay給与受取」を利用する従業員への給与支払いを同時に実現できるようになる。これにより、企業のバックオフィス担当者の業務負荷軽減と、従業員の利便性向上が期待される。

給与デジタル払いの連携に関する考察

OBCとPayPayの給与デジタル払いにおける連携は、労働環境のデジタル化を大きく前進させる可能性を秘めている。特に、バックオフィス業務の効率化と従業員の利便性向上を同時に実現できる点が評価できる。一方で、セキュリティやプライバシー保護の観点から、デジタル化に伴うリスクへの対策も重要な課題となるだろう。

今後予想される課題としては、従来の銀行口座振込との併用による業務の複雑化や、従業員のデジタルリテラシーの差による混乱が挙げられる。これらの問題に対しては、段階的な導入やユーザー教育の充実、さらにはAIを活用した自動化システムの導入などが解決策として考えられる。また、給与デジタル払いの普及に伴い、より柔軟な給与支払いオプションや、財務管理アドバイス機能など、付加価値サービスの開発も期待される。

長期的には、給与デジタル払いの普及が働き方改革やフリーランス経済の発展にも寄与する可能性がある。即時性の高い給与支払いが可能になることで、より柔軟な雇用形態や報酬体系の実現につながるかもしれない。OBCとPayPayには、この連携を起点として、労働市場全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する役割が期待される。