IBMがエージェント型AIセキュリティーシステムATOMとPTIを発表、自律的な脅威検知と対応を実現へ

text: XEXEQ編集部
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IBMがエージェント型AIセキュリティーシステムATOMとPTIを発表、自律的な脅威検知と対応を実現へ

記事の要約

IBMがエージェント型AIシステムATOMを発表
自律的な脅威検知と対応を実現する新機能を導入
予測的脅威インテリジェンス機能PTIも追加

IBMの次世代AIセキュリティーシステムATOMとPTIの導入

IBMは2025年4月28日、セキュリティー運用の自動化を実現する新しいエージェント型AIシステムAutonomous Threat Operations Machine（ATOM）を発表した。ATOMは最小限の人的介入で脅威のトリアージ、調査、修復を自律的に実行し、組織のセキュリティー分析ソリューションを強化する仕組みとなっている。^[1]

ATOMのAIエージェント・フレームワークとオーケストレーション・エンジンは、脅威検知の迅速化とコンテキスト化されたアラート分析を実現することで、セキュリティー・アナリストの業務効率を大幅に向上させる機能を備えている。IBMはベンダーに依存しないデジタル・オペレーターとしてGoogle CloudやMicrosoftなどのパートナーソリューションとの統合も可能だ。

さらにIBMは、X-Force Predictive Threat Intelligence（PTI）エージェントも発表した。PTIは業界特化型のAI基盤モデルを活用し、100を超えるソースからデータを収集して組織固有のニーズに合わせた脅威インテリジェンス・レポートを作成することが可能である。

ATOMとPTIの機能比較

	ATOM	PTI
主な機能	自律的な脅威対応	予測的脅威分析
特徴	人的介入の最小化	業界特化型AI活用
データソース	既存セキュリティツール	100以上の情報源

エージェント型AIについて

エージェント型AIとは、特定のタスクや目的に応じて自律的に動作する人工知能システムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

自律的な意思決定と行動の実行が可能
環境やコンテキストに応じた適応的な対応
複数のAIエージェントの協調動作による問題解決

セキュリティ分野におけるエージェント型AIは、脅威の検知から対応までを自動化することで人的リソースの効率的な活用を実現する。ATOMではこの技術を活用し、セキュリティアナリストの負担を軽減しながら、より高度な脅威対応を可能にしている。

AIセキュリティーシステムに関する考察

IBMのATOMとPTIの導入は、急速に高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対する効果的な対策となる可能性が高い。特にAIによる自律的な脅威検知と対応は、セキュリティ人材不足という業界全体の課題解決に大きく貢献することが期待される。今後はAIの判断精度や false positiveの低減が重要な課題となるだろう。

一方で、AIシステムへの依存度が高まることによるリスクも考慮する必要がある。AIシステム自体がサイバー攻撃の標的となる可能性や、AIの判断ミスによる新たなセキュリティリスクの発生も懸念される。そのため、人間による監督や判断の仕組みを適切に組み込んでいく必要があるだろう。

将来的には、AIシステム同士の連携やインテリジェンス共有の仕組みの構築が重要となる。組織を超えた脅威情報の共有とAIによる分析・対応の自動化が進むことで、より効果的なサイバーセキュリティ対策が実現できると考えられる。