富士通と理研が世界最大級の256量子ビット超伝導量子コンピュータを開発、2025年度から提供開始へ

PR TIMES より
スポンサーリンク
記事の要約
- 富士通と理研が256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発
- ハイブリッドプラットフォームの量子ビット数が4倍に拡大
- 2025年度第一四半期から企業・研究機関へ提供開始
スポンサーリンク
富士通と理研の256量子ビット超伝導量子コンピュータ開発
富士通株式会社と国立研究開発法人理化学研究所は、理研RQC-富士通連携センターにおいて世界最大級となる256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発した。2023年10月に公開した64量子ビット超伝導量子コンピュータの開発技術をベースに、新たに開発した高密度実装技術により実現に成功したのだ。[1]
新開発の256量子ビット超伝導量子コンピュータは、Fujitsu Hybrid Quantum Computing Platformを通じて2025年度第一四半期中に企業や研究機関向けに提供が開始される。量子ビット数が64から256へと4倍に拡大したことで、従来よりも大きな分子の解析や多くの量子ビットを使用したエラー訂正アルゴリズムの実装が可能になった。
富士通と理研は今後、1,000量子ビット超級の超伝導量子コンピュータの実現に向けて、量子ビットチップの設計や製造技術の高度化、高精度な量子ゲートを実現する技術開発に取り組んでいく。2026年には1,000量子ビットコンピュータの構築と公開を目指し、Fujitsu Technology Parkの量子棟に設置する予定だ。
256量子ビット超伝導量子コンピュータの特徴まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
開発機関 | 富士通株式会社、国立研究開発法人理化学研究所 |
量子ビット数 | 256量子ビット(従来の4倍) |
提供開始時期 | 2025年度第一四半期 |
主な特徴 | 3次元接続構造による大規模化、高密度実装技術の実現 |
今後の目標 | 2026年に1,000量子ビットコンピュータの構築・公開 |
スポンサーリンク
量子ビットについて
量子ビットとは、量子コンピュータにおける情報の最小単位で、従来のコンピュータにおけるビットに相当する基本要素のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 量子重ね合わせにより複数の状態を同時に表現可能
- 量子もつれを利用した並列計算が実現可能
- 従来のビットと比較して圧倒的な情報処理能力を持つ
現在の量子コンピュータは、ノイズの影響を完全に排除できないNISQ(ノイズが多い中規模量子デバイス)と呼ばれる段階にある。誤り訂正量子コンピュータ(FTQC)の実現には、大量の量子ビットでエラーを訂正する必要があり、実用レベルの計算問題を解くには少なくとも6万量子ビットが必要とされている。
256量子ビット超伝導量子コンピュータに関する考察
256量子ビットへの大規模化は、量子コンピュータの実用化に向けた重要なマイルストーンとなる進展である。高密度実装技術と3次元接続構造の採用により、従来の冷凍機を使用しながら4倍の実装密度を実現した技術革新は、今後の量子コンピュータ開発における重要な指針となるだろう。
一方で、実用レベルのFTQCには6万量子ビットが必要とされており、256量子ビットから1,000量子ビットへの拡張はまだ道半ばである。量子ビットの大規模化に伴う熱設計や高精度な量子ゲートの実現など、技術的な課題の克服が今後の重要な焦点となることが予想される。
富士通と理研の連携センターが2029年3月まで延長されたことは、長期的な視点での研究開発の継続を示している。量子コンピューティング分野における日本の技術力向上と国際競争力の維持・強化に向けて、産学連携による技術革新の加速が期待される。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「世界最大級の256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発 | 富士通株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000411.000093942.html, (参照 25-04-24). 4212
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
- 富士通と理研が世界最大級の256量子ビット超伝導量子コンピュータを開発、国産4号機として理研和光地区に実機を公開
- primeNumberがTROCCO Enterprise Offeringを発表、エンタープライズ向けデータ分析支援ソリューションの提供開始へ
- エンカレッジがESS AdminONE V1.4を販売開始、2つのシステム構成の組み合わせで特権アクセス制御を強化
- NTTテクノクロスがPCセキュリティツールmietenを強化、社外PCのリアルタイム点検機能を追加し4月23日から提供開始
- マクニカがMujinへPLMとMESシステムを提供、製造業のデジタル化とデータ連携基盤の強化へ
- MicrosoftがWindows 10向け2025年4月プレビュー更新プログラムを公開、セキュリティ機能とサービススタックを改善
- 【CVE-2025-30307】XMP Toolkit 2023.12以前のバージョンに境界外読み取りの脆弱性、情報漏洩のリスクに注意
- 【CVE-2025-30306】Adobe XMP Toolkitに境界外読み取りの脆弱性、ASLRバイパスのリスクが発生
- 【CVE-2025-30308】Adobe XMPWorkerに重大な脆弱性、メモリ読み取りによる情報漏洩のリスクが浮上
- 【CVE-2025-30309】AdobeのXMP Toolkitに深刻な脆弱性、情報漏洩のリスクが浮上
スポンサーリンク