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公開：2025-05-09

富士通がソニー銀行の新勘定系システムを稼働開始、クラウドネイティブなアーキテクチャでビジネスアジリティを強化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 富士通の次世代デジタルバンキングシステムがソニー銀行で稼働開始
• クラウドネイティブなアプリケーション構造でビジネスアジリティを向上
• AWS上に構築し、マイクロサービス化で柔軟な改良を実現

富士通のクラウドネイティブな次世代デジタルバンキングシステム

富士通株式会社は勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank」を採用したソニー銀行の新勘定系システムを2025年5月6日より稼働開始した。このシステムはソニー銀行のさまざまな商品やサービス、取引機能をマイクロサービス化して実装しており、新商品やサービスの迅速な提供と既存機能の柔軟な改良を可能にしている。^[1]

次世代デジタルバンキングシステムはAWSの240を超えるサービス群を活用してAWS上に構築された、クラウドネイティブなシステムとなっている。スケーラビリティやマイクロサービス、BFFなどのクラウドの特性を最大限に活用することで、常にビジネス環境の変化に合わせた最適なシステムリソースの活用が実現している。

マイクロサービスにおける課題であったACID特性の適用に関して、富士通は独自の実装方法を開発して解決を図った。この実装により、勘定系業務アプリケーションのプログラム資産規模を従来の40%に削減し、保守や追加開発の効率化を実現することが可能になっている。

次世代デジタルバンキングシステムの特長まとめ

マイクロサービスアーキテクチャについて

マイクロサービスアーキテクチャとは、アプリケーションを小規模な独立したサービスの集合体として構築する設計手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 各サービスが独立して開発・デプロイ可能
• サービス単位での柔軟なスケーリングが可能
• 異なる技術スタックの採用が容易

マイクロサービスアーキテクチャを勘定系システムに適用する際の課題として、データの一貫性保証が挙げられる。富士通は独自の実装方法を開発することでこの課題を解決し、普通預金から定期預金への振替などのトランザクション処理においても確実なデータ整合性を確保することが可能となった。

クラウドネイティブな次世代デジタルバンキングシステムに関する考察

クラウドネイティブな次世代デジタルバンキングシステムは、金融業界のデジタル化における重要な転換点となる可能性が高い。従来の勘定系システムでは実現が困難だった柔軟な機能拡張や迅速なサービス提供が可能となり、金融機関のビジネスアジリティを大幅に向上させることが期待できるだろう。

一方で、システムの完全クラウド化に伴うセキュリティリスクの管理や、マイクロサービス間の整合性確保など、新たな課題も存在している。これらの課題に対しては、セキュリティ対策の強化や運用管理体制の整備、さらなる技術革新による解決が必要となるだろう。

今後は金融機関のデジタルトランスフォーメーションがさらに加速することが予想される。クラウドネイティブなアーキテクチャの採用により、より柔軟で革新的な金融サービスの創出が可能になり、顧客体験の向上にも大きく寄与することが期待できる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「富士通のソリューションを採用したソニー銀行様の新勘定系システムが稼働開始 | 富士通株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000414.000093942.html, (参照 25-05-09).
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