AppleとGoogle、iOS・AndroidでBluetoothトラッカーの不正利用を防ぐ新機能を共同開発し提供開始

text: XEXEQ編集部

AppleとGoogleのDetecting Unwanted Location Trackers導入に関する要約

AppleとGoogleが不要な位置情報トラッカーの検出機能を共同開発し実装
iOS 17.5とAndroid 6.0以降で警告機能が利用可能に
トラッカーのメーカー各社も対応を表明、プライバシー保護に向けた業界横断の取り組み
トラッカーの悪用防止とユーザーの安全確保が狙い

AppleとSamsung、Bluetooth追跡デバイスの悪用防止で協力

AppleとSamsungは2024年5月13日、Bluetoothを利用した追跡デバイスの悪用を防ぐため、共同で新たな業界規格「Detecting Unwanted Location Trackers」を策定したと発表。この規格により、iOSとAndroidの両プラットフォームで追跡デバイスの検知と警告が可能になる。^[1]

新機能はiOS 17.5とAndroid 6.0以降を搭載したデバイスで利用できる。ユーザーが身に覚えのないBluetoothトラッカーと一定時間一緒に移動している場合、「[追跡アイテム]はあなたと一緒に移動しています」といった警告が表示される仕組みだ。

警告を受けたユーザーは、トラッカーの識別情報を確認したり、見つけやすくするために音を鳴らしたりできる。安全上の懸念がある場合は、トラッカーを無効化するための手順も用意されている。Chipolo、eufy、Jio、Motorola、Pebblebeeなど主要なトラッカーメーカーも、この規格への対応を表明しているとのこと。

考察

位置情報トラッカーの悪用防止に向けたAppleとGoogleの取り組みは、プライバシー保護とユーザー体験の向上において重要な一歩だと言える。IoTデバイスの普及に伴い、知らないうちに追跡されるリスクが高まっている現状を踏まえると、OSレベルでの対策は不可欠だ。特にDV被害者などの安全確保の観点からも、トラッカーの不正利用を防ぐ仕組みの整備は喫緊の課題と言えるだろう。

一方で、正規の用途で使われるトラッキングデバイスまで過度に制限してしまうと、利便性を損なうことにもなりかねない。例えば子供や高齢者の見守り、ペットの居場所確認、盗難防止などに活用されているケースは少なくない。プライバシーとユーザビリティのバランスをどう取るかは難しい問題だが、業界全体で議論を重ねベストプラクティスを確立していくことが求められる。技術的な対策だけでなく、トラッカーの適切な使い方に関する利用者教育なども必要になるかもしれない。Bluetoothトラッカーが生活の中で果たす役割は今後ますます大きくなると予想される中、ステークホルダー間の建設的な協力を期待したい。

参考サイト

^ Apple. 「AppleとGoogle、iOSとAndroidで不要な追跡の警告に関するサポートを提供 - Apple (日本)」. https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/05/apple-and-google-deliver-support-for-unwanted-tracking-alerts-in-ios-and-android//, (参照 24-05-28).
Apple. https://www.apple.com/jp/
Samsung. https://www.samsung.com/jp/
Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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