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公開：2024-09-01

東京大学・東北大学・損保ジャパンがジェンダーギャップ解消に向けた共同研究を開始、女性のキャリア形成における障壁を調査

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東京大学・東北大学・損保ジャパンが共同研究を開始
• 女性のキャリア形成における障壁を調査・分析
• ジェンダーギャップ解消に向けた取り組みを推進

ジェンダーギャップ解消に向けた共同研究の開始

東京大学公共政策大学院、東北大学大学院経済学研究科、損害保険ジャパン株式会社は2024年8月30日に共同研究契約を締結し、女性のキャリア形成における障壁を理解するための研究を開始した。この研究では、損保ジャパンが保有する人事データを活用し、日本企業におけるジェンダーギャップに関する課題解決を目指している。^[1]

日本の女性管理職比率は国際的に見ても低く、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では2024年に118位と後れを取っている状況だ。本研究では、女性管理職割合が依然として低い原因や、ジェンダーギャップを生み出す根本的な要因を分析・理解することで、多様性の拡大と生産性向上につながることが期待されている。

損保ジャパンは2003年に日本の金融機関で初めて女性活躍推進部署を設置し、20年以上にわたりジェンダーギャップ解消に取り組んできた。その結果、評価業務を受任したチームリーダーの女性比率は2016年4月の12.3%から2024年4月には29.3%に増加したが、課長層以上での登用は依然として課題となっている。

ジェンダーギャップ解消に向けた共同研究の概要

共同研究の詳細はこちら

ジェンダーギャップ指数について

ジェンダーギャップ指数とは、世界経済フォーラムが毎年公表する各国の男女格差を測る指標のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 経済、教育、健康、政治の4分野で男女間の格差を数値化
• 0から1の間で表され、1に近いほど男女平等とされる
• 各国の男女格差の現状と経年変化を把握可能

日本のジェンダーギャップ指数は2022年に116位、2023年に125位、2024年に118位と推移している。この数字は、日本社会において依然として大きな男女格差が存在することを示しており、特に経済分野と政治分野での女性の参画が遅れていることが指摘されている。

ジェンダーギャップ解消に向けた共同研究に関する考察

本共同研究の開始は、日本のジェンダーギャップ解消に向けた重要な一歩となる可能性が高い。特に、産学連携による実際の企業データを用いた分析は、理論と実践の両面からより深い洞察を得られる点で画期的だ。しかし、研究結果を実際の企業文化や制度の変革につなげるプロセスには、様々な障壁が予想される。

今後の課題として、研究成果の一般化可能性や、他業種への適用可能性の検証が挙げられる。損保ジャパン一社のデータだけでなく、業界横断的なデータ収集と分析が求められるだろう。また、研究結果を基に具体的な施策を立案・実行し、その効果を継続的に検証するPDCAサイクルの構築も重要となる。

本研究を通じて、日本企業におけるジェンダーギャップの根本原因が明らかになることが期待される。さらに、この知見を基に、企業や政府が効果的な施策を打ち出し、女性のキャリア形成を支援する具体的な仕組みづくりにつながることが望まれる。長期的には、この取り組みが日本社会全体のダイバーシティ推進と生産性向上に寄与することを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「ジェンダーギャップ解消に向けた東京大学公共政策大学院と東北大学大学院経済学研究科および損保ジャパンとの共同研究開始 | 損害保険ジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000418.000078307.html, (参照 24-09-01).

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