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公開：2024-07-18

MicrosoftがWindows Update API問題を報告、グループポリシーによる解決策を提供

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• 2024年6月のWindows更新プログラムでAPIに問題発生
• スクリプトからの更新プログラム検索に影響
• Windows 11の特定バージョンが影響を受ける

Windows Update APIの問題がスクリプト実行に影響、Microsoftが対応策を発表

Microsoftは2024年6月25日にリリースされたWindows 11のプレビュー更新プログラム（KB5039302）およびそれ以降の更新プログラムにおいて、Windows Update Agent API（WUA）の使用に関する問題を報告した。この問題により、PowerShellやVBScriptなどのスクリプトからWindows更新プログラムを検索する際、IUpdateCollectionに含まれるIUpdateオブジェクトのプロパティ取得時に空の結果が返される可能性がある。^[1]

さらに、スクリプトからIUpdateオブジェクトのメソッドを呼び出す際にエラーコード0x8002802B（TYPE_E_ELEMENTNOTFOUND）が発生する可能性もある。この問題はWindows 11バージョン23H2および22H2に影響を与えるが、Windows自動更新を使用している組織やホームユーザーには影響しないことが明らかになっている。

Known Issue Rollback (KIR)とは

Known Issue Rollback（KIR）とは、Microsoftが Windows 更新プログラムで発生した問題に対して迅速に対応するためのメカニズムである。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 特定の更新プログラムの変更を無効化
• グループポリシーを通じて適用可能
• 問題解決までの一時的な対策として機能
• デバイスの再起動が必要
• 将来の更新プログラムで恒久的な修正を提供

KIRは、問題のある更新プログラムの変更を特定し、その変更のみを無効化することで、更新プログラム全体をアンインストールすることなく問題を解決する。この仕組みにより、セキュリティ更新プログラムなど、重要な更新を維持しながら、特定の問題に対処することが可能となっている。

Microsoftの対応策と今後の展開

Microsoftは、この問題に対する解決策としてKnown Issue Rollback（KIR）を提供している。IT管理者は特別なグループポリシーをインストールおよび構成することで、この問題を解決できる。グループポリシーは、コンピューター構成 -> 管理用テンプレート -> に記載されているグループポリシー名の下に配置されている。

具体的には、Windows 11バージョン23H2および22H2向けに「Windows 11 22H2 KB5039302 240711_20301 Known Issue Rollback」というグループポリシーが提供されている。このグループポリシーを適用することで、スクリプトの問題を引き起こす変更が一時的に無効化される。ただし、グループポリシーの適用にはデバイスの再起動が必要となる。

Windows Update APIの問題に関する考察

今回のWindows Update APIの問題は、企業や組織のIT管理者にとって大きな課題となる可能性がある。スクリプトを使用して更新プログラムを管理している環境では、自動化されたプロセスが正常に機能しなくなり、セキュリティ更新プログラムの適用が遅れる恐れがある。これにより、システム全体のセキュリティリスクが高まる可能性も考えられるだろう。

今後、Microsoftには更新プログラムのテストプロセスをより厳密化し、このような問題が発生しにくい仕組みを構築することが期待される。同時に、問題が発生した際により迅速に対応できるよう、KIRのような仕組みをさらに強化していく必要があるだろう。企業のIT部門は、このような問題に備えて、更新プログラムの適用プロセスの見直しや、代替手段の準備を検討すべきである。

また、この問題は Windows Update API の重要性と、それに依存するシステムの脆弱性を浮き彫りにした。今後、MicrosoftはAPI設計においてより堅牢性を重視し、互換性を維持しつつ改善を図ることが求められる。開発者コミュニティとの密接な連携や、より包括的なベータテストプログラムの実施なども、問題の早期発見と解決に貢献する可能性がある。

長期的には、このような問題を未然に防ぐための新たな技術やプロセスの導入が必要になるかもしれない。人工知能や機械学習を活用した更新プログラムの品質保証システムの開発や、より柔軟で安全な更新メカニズムの設計など、イノベーションの余地は大きい。IT管理者や開発者にとっては、このような変化に適応し、常に最新の知識とスキルを維持することが重要になるだろう。

参考サイト

1. ^ Microsoft Learn. 「Windows 11, version 23H2 known issues and notifications | Microsoft Learn」. https://learn.microsoft.com/en-us/windows/release-health/status-windows-11-23h2#3351msgdesc, (参照 24-07-18).
2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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