愛媛県が4者連携協定を締結、J-クレジット創出プロジェクトでカーボンニュートラル実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

愛媛県が4者連携協定を締結
J-クレジット創出プロジェクトを立ち上げ
地域全体での脱炭素化を目指す

愛媛県が4者連携協定を締結しJ-クレジット創出へ

愛媛県、伊予銀行、愛媛銀行、バイウィルは2024年9月4日、愛媛県におけるカーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーの実現に寄与することを目的とした連携協定を締結した。この協定に基づき、太陽光発電設備などの再生可能エネルギー設備の導入においてJ-クレジットのプログラム型プロジェクトを立ち上げる予定だ。^[1]

バイウィルはプログラム型プロジェクトの運営、J-クレジット創出手続き、J-クレジット販売先の探索を代行する予定である。地方自治体と金融機関の連名により登録されたJ-クレジットのプログラム型は現在なく、全国初の取り組みとなる。愛媛県は「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」の長期目標と「2030年度までに温室効果ガス排出量46.0％削減」の中期目標を掲げている。

協定内容には、環境価値に関する情報・サービス・ノウハウ等の提供、環境価値を活用した新たなビジネスモデルの創出が含まれる。愛媛県は瀬戸内の温暖な気候等の影響により、全国的に日射量が多く太陽光発電に適した地域であり、この強みを生かして産業部門の脱炭素化を後押しする狙いがある。

4者連携協定の概要

	愛媛県	伊予銀行	愛媛銀行	バイウィル
役割	J-クレジットの啓発活動	プロジェクト入会者募集	プロジェクト入会者募集	プロジェクト運営・手続き代行
目標	2050年温室効果ガス排出実質ゼロ	地域経済活性化	地域経済活性化	J-クレジット創出・販売
強み	太陽光発電に適した気候	県内事業者とのネットワーク	県内事業者とのネットワーク	環境価値創出支援ノウハウ

J-クレジットについて

J-クレジットとは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用等、事業者による脱炭素活動により得られたCO2等の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証したものを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

国が認証する信頼性の高い環境価値
クレジットの売買が可能
カーボン・オフセットに活用可能

今回の協定では、プログラム型プロジェクトの立ち上げが計画されている。プログラム型プロジェクトとは、複数のCO2削減・吸収活動を取りまとめ、1つのJ-クレジット創出プロジェクトとして登録する形態のことを指す。単独ではプロジェクト登録が非現実的な小規模の削減活動も、取りまとめることでJ-クレジットを創出することが可能となる。

愛媛県の4者連携協定に関する考察

愛媛県の4者連携協定は、地域特性を活かした再生可能エネルギーの導入促進と、J-クレジット制度の活用を組み合わせた画期的な取り組みだ。特に、地方自治体と金融機関の連名によるプログラム型プロジェクトは全国初の試みであり、他の地域にとってもモデルケースとなる可能性が高い。ただし、J-クレジットの認証プロセスや取引市場の整備など、制度面での課題も残されているだろう。

今後の課題としては、プロジェクトへの参加企業の確保や、創出されたJ-クレジットの安定的な販路の確立が挙げられる。これらの課題に対しては、地元金融機関のネットワークを活用した企業への啓発活動や、大手企業とのマッチング支援などが有効な解決策となるかもしれない。また、J-クレジットを活用した新たな金融商品の開発など、地域経済の活性化につながるイノベーションの創出も期待される。

中長期的には、この取り組みを通じて蓄積されるノウハウや実績が、愛媛県全体の環境価値創出能力の向上につながることが期待される。さらに、カーボンニュートラルの実現に向けた地域モデルの確立は、全国の自治体や企業にとっても参考になるはずだ。今後は、他の再生可能エネルギー源や省エネ技術への展開など、取り組みの幅を広げていくことも視野に入れるべきだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「愛媛県、伊予銀行、愛媛銀行、バイウィルが、カーボンニュートラル実現を目指す4者連携協定を締結 | 株式会社バイウィルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000013100.html, (参照 24-09-06).

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