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東北大発3DCがSIPとBRIDGEに同時採択、革新的カーボン素材GMSでリチウムイオン電池の性能向上を目指す

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

東北大発3DCがSIPとBRIDGEに同時採択、革新的カーボン素材GMSでリチウムイオン電池の性能向上を目指す

PR TIMES より


記事の要約

  • 3DCがSIPとBRIDGEに同時採択
  • リチウムイオン電池の性能向上を実現
  • カーボンニュートラル社会の実現を加速

東北大発3DCがSIPとBRIDGEに同時採択、リチウムイオン電池の性能向上を目指す

株式会社3DCは、内閣府主催の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」と「研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」に同時に採択されたことを2024年9月5日に発表した。両プログラムの採択により、3年間で最大8億円の助成を受けることが可能となっている。3DCは革新的カーボン新素材「Graphene MesoSponge®(GMS)」の開発・製造販売を行っており、リチウムイオン電池の性能向上を実現し、カーボンニュートラル社会の実現を加速させることを目指している。[1]

SIPとBRIDGEは、いずれも国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)が研究推進法人となっているプログラムだ。SIPは20~30年後のマクロトレンド・社会課題から想定されるマテリアル産業が目指すべき市場などにおいて、ボトルネックとなる課題に取り組むスタートアップを支援するプログラムである。一方、BRIDGEは科学技術・イノベーション政策の方針に基づき、研究開発だけでなく社会課題解決等に向けた取組を推進するプログラムとなっている。

3DCは東北大学発のベンチャー企業であり、GMSを活用してリチウムイオン電池や次世代電池、キャパシタ、燃料電池といった蓄電・発電デバイスの電極材料の開発を行っている。2024年2月には「導電助剤用GMS」の出荷を開始し、現在は量産化に向けて準備を進めている。3DCは2026年以降の本格的な市場参入を目指しており、国内外の電池・電池材料・キャパシタ・自動車メーカーなどと協力してGMSの導入実証を進めている。

SIPとBRIDGEプログラムの採択概要

SIP BRIDGE
プログラム名 戦略的イノベーション創造プログラム 研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム
公募名 マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築 マテリアルスタートアップインキュベーション促進事業
支援内容 3年間で最大8億円の支援 社会課題解決に向けた取組の推進
研究推進法人 国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS) 国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
採択数 2024年度2件(民間企業は3DCのみ) 2024年度2件(民間企業は3DCのみ)

Graphene MesoSponge®(GMS)について

Graphene MesoSponge®(GMS)とは、3DCが開発した革新的カーボン新素材のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を持つ
  • ゴムのような弾性変形が可能で、電池の充放電に伴う構造変化に対応
  • 多孔性、導電性、耐食性を併せ持つ複合的な性質を有する

GMSは、リチウムイオン電池における「容量を向上させようとすると別の特性が低下する」というトレードオフ問題を解消し得る炭素材料として注目されている。3DCは現在、GMSを活用してリチウムイオン電池や次世代電池、キャパシタ、燃料電池といった蓄電・発電デバイスの電極材料の開発を進めており、2024年2月には「導電助剤用GMS」の出荷を開始している。

3DCのSIPとBRIDGE採択に関する考察

3DCがSIPとBRIDGEに同時採択されたことは、同社の技術力と事業性が高く評価されたことを示している。GMSの特性を活かしたリチウムイオン電池の性能向上は、電気自動車の普及や再生可能エネルギーの効率的な利用など、カーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献する可能性がある。しかし、新素材の実用化には長期的な研究開発と多額の投資が必要となるため、今回の採択による資金援助は3DCの事業展開を加速させる重要な要因となるだろう。

今後、3DCが直面する可能性のある課題としては、GMSの量産化技術の確立や品質の安定化が挙げられる。革新的な材料であるGMSの特性を維持しつつ、大量生産を実現することは容易ではない。また、既存の電池材料との互換性や長期信頼性の検証も重要な課題となるだろう。これらの問題に対する解決策として、産学連携をさらに強化し、製造プロセスの最適化や品質管理システムの構築に注力することが考えられる。

3DCには、GMSの応用範囲をリチウムイオン電池以外にも拡大することが期待される。例えば、水素燃料電池や次世代の全固体電池など、より広範な蓄電・発電デバイスへのGMS適用可能性を探ることで、事業の多角化と成長の加速が見込まれる。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、GMSを活用した新たな環境技術の開発にも期待が高まっている。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「次世代カーボン素材の東北大発3DC、内閣府主催の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」と「研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」に同時採択 | 株式会社3DCのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000098727.html, (参照 24-09-07).

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