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公開：2024-09-14

CogSmartが認知症早期予防サービスの実証事業を開始、三鷹市で40歳以上を対象に多角的アプローチを展開

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• CogSmartが認知症予防サービスを開始
• 三鷹市で40歳～74歳を対象に実証事業展開
• 東京都の多摩イノベーションエコシステム促進事業として選定

CogSmartの認知症早期予防サービス実証事業開始

株式会社CogSmartは、東京都が実施する多摩イノベーションエコシステム促進事業「リーディングプロジェクト」（令和6年度）として、認知症早期予防サービスの実証事業を2024年9月12日に開始した。三鷹市福祉Laboどんぐり山、NTTコミュニケーションズ株式会社、野村不動産ライフ＆スポーツ株式会社と共同で、三鷹市の40歳～74歳の市民を対象に展開するのだ。^[1]

本実証事業では、CogSmartが開発した海馬育成アプリ「BrainUp®」を活用し、認知症の早期予防介入を支援する総合サービスの検証を行う。NTTコミュニケーションズの電話による簡易認知機能チェックサービス、CogSmartのMRI検査「BrainSuite®」による脳の健康状態チェック、野村不動産ライフ＆スポーツの運動プログラムなど、多角的なアプローチを採用している。

この取り組みは、増加する高齢者人口と認知症リスクに対応するものだ。多摩地域の高齢化率は2022年時点で25.5％であり、2040年には32.4％に達すると予想されている。本プロジェクトを通じて、認知症やフレイル、生活習慣病の予防介入の有効性を客観的に評価し、健康長寿社会の実現と将来の医療費・介護費増大の抑制を目指している。

CogSmartの認知症予防サービス実証事業の概要

海馬について

海馬とは、脳内にある記憶や学習に重要な役割を果たす部位のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 短期記憶から長期記憶への変換を担う
• 空間認知や方向感覚に関与する
• 認知症の初期段階で萎縮が見られることが多い

CogSmartが開発した「BrainSuite®」は、この海馬の大きさをAIにより測定する脳検査サービスである。海馬の萎縮レベルを通じて脳の健康状態をチェックし、海馬育成のための生活習慣改善アドバイスを提供することで、認知症の早期予防に貢献することを目指している。この技術は、東北大学加齢医学研究所の脳医学研究成果をベースにしており、科学的根拠に基づいたアプローチを採用している。

認知症予防サービスの実証事業に関する考察

CogSmartの認知症予防サービス実証事業は、多角的なアプローチと最新技術の活用という点で評価できる。特にAIを用いた海馬測定や電話による簡易認知機能チェックなど、非侵襲的かつ手軽に利用できるサービスを提供している点が良い。ただし、個人情報の取り扱いや、AIによる診断の精度、費用対効果などについては慎重に検討する必要があるだろう。

今後の課題としては、サービスの普及と継続利用の促進が挙げられる。認知症予防の効果を実感するには長期的な取り組みが必要であり、ユーザーのモチベーション維持が重要となる。この点に関しては、ゲーミフィケーションの導入や、コミュニティ形成支援など、継続的な利用を促す工夫が求められるだろう。また、サービスの効果を科学的に検証し、エビデンスを蓄積していくことも不可欠だ。

将来的には、このサービスが他の自治体や全国規模で展開されることが期待される。特に、高齢化が進む地方都市での導入は、地域の健康寿命延伸に大きく貢献する可能性がある。さらに、蓄積されたデータを活用した新たな認知症予防法の開発や、AIによる早期診断精度の向上など、医学的な進展にも期待がかかる。認知症対策は社会的課題であり、このようなプロジェクトの成功が望まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「株式会社CogSmart、東京都が実施する多摩イノベーションエコシステム促進事業「リーディングプロジェクト」（令和６年度）として実証事業開始 | 株式会社CogSmartのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000091030.html, (参照 24-09-14).

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