カケハシがMusubiに生成AI活用機能を開発、薬歴作成の効率化と対人業務の充実を支援

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

カケハシがMusubiに生成AI活用機能を開発
薬歴作成の効率化と対人業務の充実を支援
2025年春頃に正式実装予定

カケハシの生成AI活用による薬歴作成機能開発

株式会社カケハシは、クラウド型電子薬歴・服薬指導システム「Musubi」において、生成AIを活用した薬歴作成機能の開発に着手したことを2024年9月17日に発表した。この新機能は、服薬指導の内容を生成AIによって自動的にSOAP形式に整理し、継続的な薬学管理に必要な要点を押さえた薬歴を効率的に作成することを可能にするものだ。^[1]

カケハシは創業当初から「テクノロジー活用」をテーマとしたプロダクト開発に取り組んでおり、AI領域においても10人以上のAI人材を擁している。2021年には「Musubi AI在庫管理」を提供開始し、在庫金額の20〜30％圧縮や欠品の20％程度削減といった成果を上げてきた。

新機能のリリースについては、2024年秋頃にプロトタイプを公開し、薬局現場での安全性と利便性の向上を検証する予定だ。正式な機能実装は2025年春頃を予定している。カケハシは今後、他のサービスにもAIを活用した機能開発を順次検討し、薬局業務のトータルサポートを目指している。

カケハシの生成AI活用機能まとめ

項目	詳細
開発中の機能	生成AIを活用した薬歴作成機能
対象システム	クラウド型電子薬歴・服薬指導システム「Musubi」
主な特徴	服薬指導内容をSOAP形式に自動整理
プロトタイプ公開予定	2024年秋頃
正式実装予定	2025年春頃

SOAP形式について

SOAP形式とは、医療や看護の分野で用いられる記録方法の一つで、患者の状態や治療計画を体系的に整理するためのフォーマットである。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

S（Subjective）：患者の主観的情報を記録
O（Objective）：客観的に観察された情報を記録
A（Assessment）：患者の状態に対する評価を記録

カケハシが開発中の生成AI活用機能は、このSOAP形式を用いて薬歴を自動的に整理することを目指している。これにより、薬剤師は患者の状態や治療経過を一目で把握しやすくなり、より質の高い服薬指導や薬学的管理を行うことが可能になると期待されている。

生成AIを活用した薬歴作成機能に関する考察

カケハシによる生成AIを活用した薬歴作成機能の開発は、薬局業務の効率化と質の向上に大きく貢献する可能性がある。特に、SOAP形式への自動整理機能は、薬剤師の記録作業の負担を軽減しつつ、標準化された形式で情報を管理できるため、継続的な薬学管理の質を高める効果が期待できるだろう。

しかし、AIによる自動生成には患者の個人情報保護やAIの判断の正確性など、慎重に対処すべき課題も存在する。これらの問題に対しては、AIの学習データの適切な管理や、薬剤師によるAI生成内容の確認プロセスの確立などが解決策として考えられる。将来的には、AIが患者の過去の薬歴や検査結果なども考慮して、より包括的な薬学的管理を支援する機能の追加も期待したい。

今後、カケハシには薬局業務のフローに即した「流れのあるAIサポート」の実現と、患者にとって安心・安全な生成AI活用を目指してほしい。AIによる薬局業務のトータルサポートが実現すれば、薬剤師の専門性をさらに発揮できる環境が整い、患者本位の医療の実現に大きく寄与するだろう。