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10GBASE-Tとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


10GBASE-Tとは

10GBASE-Tは10ギガビットイーサネットの銅線通信規格の一つです。IEEE 802.3an規格で定義されており、最大伝送距離は100mとなっています。

10GBASE-Tは既存のカテゴリー6Aまたはカテゴリー7のツイストペアケーブルを使用し、RJ45コネクタを採用しています。そのため、既存のイーサネットインフラを活用しつつ、10Gbpsの高速通信を実現できるのが特徴です。

10GBASE-Tの変調方式にはPAM-16(Pulse Amplitude Modulation-16)が採用されています。これにより、1つのシンボルで4ビットのデータを伝送でき、高速かつ効率的な通信が可能となっています。

10GBASE-Tはレイテンシの低さも大きな利点の一つです。ファイバーオプティックベースの10ギガビットイーサネット規格と比較して、10GBASE-Tはレイテンシが低く抑えられています。これは金融取引やハイパフォーマンスコンピューティングなどの遅延に敏感なアプリケーションに適しています。

10GBASE-Tはデータセンターやエンタープライズネットワークにおいて広く採用されています。サーバー間の高速接続、ストレージエリアネットワーク(SAN)、高性能コンピューティングクラスターなどの用途で活用されています。

10GBASE-Tの物理層の特徴と要件

「10GBASE-Tの物理層の特徴と要件」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 10GBASE-Tの物理層における信号伝送方式
  • 10GBASE-Tで使用されるケーブルの種類と特性
  • 10GBASE-Tの物理層におけるコネクタとピン配置

10GBASE-Tの物理層における信号伝送方式

10GBASE-Tの物理層ではPAM-16(Pulse Amplitude Modulation-16)変調方式が採用されています。PAM-16は16レベルの振幅変調を使用し、1シンボルあたり4ビットのデータを伝送します。

また、10GBASE-Tではフルデュプレックス通信が行われます。これにより、送信と受信を同時に行うことができ、効率的なデータ伝送が可能となります。

10GBASE-Tで使用されるケーブルの種類と特性

10GBASE-Tではカテゴリー6A(CAT6A)またはカテゴリー7(CAT7)のツイストペアケーブルが使用されます。これらのケーブルは高周波数帯域での伝送特性に優れており、10Gbpsの高速通信に適しています。

CAT6AとCAT7ケーブルはエイリアンクロストークや外部ノイズに対する耐性が高く、信号の品質を維持できます。また、これらのケーブルは最大100mの伝送距離をサポートしています。

10GBASE-Tの物理層におけるコネクタとピン配置

10GBASE-TではRJ45コネクタが使用されます。RJ45コネクタは8本の導線を持つツイストペアケーブルを接続するためのインタフェースです。10GBASE-Tのピン配置は1000BASE-Tと同じであり、下位互換性が保たれています。

RJ45コネクタのピン配置はBI_DA+(ピン1)、BI_DA-(ピン2)、BI_DB+(ピン3)、BI_DB-(ピン4)、BI_DC+(ピン5)、BI_DC-(ピン6)、BI_DD+(ピン7)、BI_DD-(ピン8)となっています。各ペアは差動信号伝送に使用されます。

10GBASE-Tの自動ネゴシエーション機能

「10GBASE-Tの自動ネゴシエーション機能」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 10GBASE-Tにおける自動ネゴシエーションの役割
  • 10GBASE-Tの自動ネゴシエーションの手順
  • 10GBASE-Tの自動ネゴシエーションの利点

10GBASE-Tにおける自動ネゴシエーションの役割

10GBASE-Tの自動ネゴシエーションはリンクパートナー間で通信パラメータを自動的に調整するための機能です。これにより、最適な通信速度やデュプレックスモードなどを決定し、安定した通信を確立できます。

自動ネゴシエーションはリンクの確立時に行われ、両端のデバイスが互いの能力を交換し、共通の通信パラメータを決定します。これにより、手動での設定の手間を省き、接続の利便性を高めることができます。

10GBASE-Tの自動ネゴシエーションの手順

10GBASE-Tの自動ネゴシエーションは以下の手順で行われます。まず、リンクパートナー間で、自動ネゴシエーションの開始を示すFLPバースト(Fast Link Pulse)を交換します。

次に、お互いの能力を示すために、リンクパートナーはそれぞれ自身の能力をアドバタイズします。アドバタイズにはサポートする通信速度、デュプレックスモード、フロー制御などの情報が含まれます。

最後に、アドバタイズされた情報に基づいて、両端のデバイスは共通の通信パラメータを決定します。これにより、最適な通信設定で接続が確立されます。

10GBASE-Tの自動ネゴシエーションの利点

10GBASE-Tの自動ネゴシエーションにはいくつかの利点があります。まず、ネットワーク管理者による手動での設定の手間を省くことができます。自動ネゴシエーションにより、デバイス間の通信パラメータが自動的に調整されるため、設定ミスを防ぎ、時間を節約できます。

また、自動ネゴシエーションは異なる機器間の相互運用性を向上させます。異なるベンダーのデバイスであっても、自動ネゴシエーションによって共通の通信パラメータを決定できるため、互換性の問題を解決できます。

さらに、自動ネゴシエーションはネットワークの柔軟性を高めます。デバイスの追加や変更があった場合でも、自動ネゴシエーションによって最適な通信設定が自動的に決定されるため、ネットワークの管理が容易になります。

10GBASE-Tの電力効率とグリーンイーサネット

「10GBASE-Tの電力効率とグリーンイーサネット」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 10GBASE-Tにおける電力効率の重要性
  • 10GBASE-Tのエネルギー効率イーサネット(EEE)機能
  • 10GBASE-Tのグリーンイーサネットの利点

10GBASE-Tにおける電力効率の重要性

10GBASE-Tは高速通信を実現する一方で、電力消費量が増加する傾向にあります。データセンターやエンタープライズネットワークにおいて、電力効率の向上は重要な課題となっています。

電力消費量の増加は運用コストの増大や環境負荷の増加につながります。そのため、10GBASE-Tにおいては電力効率を改善するための技術が求められています。

10GBASE-Tのエネルギー効率イーサネット(EEE)機能

10GBASE-Tではエネルギー効率イーサネット(EEE)機能が導入されています。EEEはIEEE 802.3azで標準化された省電力技術であり、リンクの利用状況に応じて動的に電力消費を調整します。

EEEではリンクが非アクティブな状態(アイドル状態)の場合、送信回路の電力を低減するための低電力アイドル(LPI)モードが使用されます。LPIモードでは送信回路の電力消費を最小限に抑えつつ、必要に応じて迅速に通常モードに復帰できます。

また、EEEはトラフィック負荷に応じて送信回路の動作周波数を動的に調整する適応型リンクレート(ALR)機能もサポートしています。これにより、低負荷時には電力消費を抑えつつ、高負荷時には十分な性能を発揮できます。

10GBASE-Tのグリーンイーサネットの利点

10GBASE-Tのグリーンイーサネット技術はいくつかの利点をもたらします。まず、電力消費量の削減により、運用コストを抑えることができます。データセンターやエンタープライズネットワークにおいて、電力コストは大きな割合を占めるため、その削減は経済的なメリットをもたらします。

また、電力消費量の削減は環境負荷の低減にもつながります。温室効果ガスの排出量を抑制し、持続可能なネットワーク運用に貢献できます。

さらに、グリーンイーサネット技術はネットワーク機器の発熱量を抑えることができます。これにより、冷却システムへの負荷を軽減し、機器の長寿命化や信頼性の向上につながります。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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