Broadwellとは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

Broadwellとは
BroadwellのマイクロアーキテクチャとHaswell比較
Broadwellのマイクロアーキテクチャの特徴
BroadwellとHaswellのプロセスルールの違い
BroadwellとHaswellの性能比較
Broadwellの消費電力とTDP
BroadwellのTDPの特徴
BroadwellのTDPとHaswellの比較
Broadwellの低消費電力SKU
Broadwellの内蔵GPU
Broadwellの内蔵GPUの特徴
BroadwellとHaswellの内蔵GPUの比較
Broadwellの内蔵GPUの性能
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Broadwellとは

BroadwellはIntelが開発・製造するマイクロプロセッサの一つであり、第5世代Coreプロセッサとも呼ばれています。14nmプロセスルールで製造されており、前世代のHaswellと比較して、性能と電力効率が向上しています。

Broadwellはデスクトップ向けとモバイル向けの両方で展開されており、Core i3、Core i5、Core i7などのSKUが存在します。また、内蔵GPUであるIntel HD Graphicsも強化されており、グラフィック性能が向上しています。

BroadwellはTSX-NI(Transactional Synchronization Extensions New Instructions)やADX(Multi-Precision Add-Carry Instruction Extensions)などの新しい命令セットをサポートしています。これらの命令セットにより、マルチスレッド処理やセキュリティ機能が強化されています。

Broadwellは製造プロセスの微細化により、同じダイサイズでより多くのトランジスタを搭載できるようになりました。これにより、クロック周波数を上げることなく、性能を向上させることが可能となっています。

Broadwellは2014年9月に発表され、2015年6月に出荷が開始されました。Broadwellの登場により、インテル製CPUの性能と電力効率が大幅に改善され、ノートPCやタブレットなどのモバイルデバイスでの活用が進んでいます。

BroadwellのマイクロアーキテクチャとHaswell比較

BroadwellのマイクロアーキテクチャとHaswell比較に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Broadwellのマイクロアーキテクチャの特徴
BroadwellとHaswellのプロセスルールの違い
BroadwellとHaswellの性能比較

Broadwellのマイクロアーキテクチャの特徴

BroadwellのマイクロアーキテクチャはHaswellから大きな変更はありませんが、微細化により性能と電力効率が向上しています。また、新しい命令セットのサポートにより、セキュリティ機能やマルチスレッド処理が強化されています。

Broadwellではキャッシュ階層の最適化や分岐予測の改善など、アーキテクチャレベルでの性能向上も図られています。これらの改善により、同じクロック周波数でも、Haswellよりも高い性能を発揮することができます。

Broadwellはグラフィック性能にも力を入れており、内蔵GPUであるIntel HD Graphicsが強化されています。これにより、ライトゲームや動画編集などのタスクでも、高いパフォーマンスを発揮できるようになりました。

BroadwellとHaswellのプロセスルールの違い

BroadwellとHaswellの大きな違いの一つが、製造プロセスのルールです。Haswellが22nmプロセスルールで製造されているのに対し、Broadwellは14nmプロセスルールで製造されています。

プロセスルールの微細化により、同じダイサイズでより多くのトランジスタを搭載できるようになります。これにより、性能の向上と電力効率の改善が可能となります。

14nmプロセスルールの採用により、BroadwellはHaswellと比較して、約35%の電力効率の向上を実現しています。これにより、バッテリー駆動時間の延長や、薄型・軽量化が可能となっています。

BroadwellとHaswellの性能比較

BroadwellとHaswellの性能を比較すると、Broadwellの方が高い性能を発揮します。これはプロセスルールの微細化による性能向上と、アーキテクチャレベルでの最適化によるものです。

ベンチマークテストではBroadwellがHaswellと比較して、シングルスレッド性能で約5%、マルチスレッド性能で約10%の向上を示しています。また、グラフィック性能でも、Broadwellの方が高いスコアを記録しています。

ただし、性能の向上幅は用途やソフトウェアによって異なります。また、クロック周波数やキャッシュ容量など、SKUによっても性能差は変わってくるため、一概にBroadwellの方が高性能とは言えません。

Broadwellの消費電力とTDP

Broadwellの消費電力とTDPに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

BroadwellのTDPの特徴
BroadwellのTDPとHaswellの比較
Broadwellの低消費電力SKU

BroadwellのTDPの特徴

Broadwellは14nmプロセスルールで製造されているため、消費電力が大幅に削減されています。TDP(Thermal Design Power)はCPUの熱設計消費電力を表す指標ですが、BroadwellではこのTDPが大幅に低減されています。

Broadwellのデスクトップ向けSKUではTDPが35W～65Wの範囲で設定されています。一方、モバイル向けSKUではTDPが15W～28Wの範囲で設定されており、バッテリー駆動時間の延長に貢献しています。

TDPの低減により、放熱設計の自由度が高まるため、薄型・軽量化が可能となります。また、ファンレス設計も可能となるため、静音性にも優れています。

BroadwellのTDPとHaswellの比較

BroadwellとHaswellのTDPを比較すると、Broadwellの方が大幅に低くなっています。例えば、デスクトップ向けの上位SKUであるCore i7-5775CのTDPは65Wですが、Haswellの同等SKUであるCore i7-4790KのTDPは88Wとなっています。

モバイル向けSKUでも、BroadwellのTDPはHaswellと比較して低くなっています。例えば、Core i7-5600UのTDPは15Wですが、Haswellの同等SKUであるCore i7-4600UのTDPは17Wとなっています。

TDPの低減により、BroadwellはHaswellと同等以上の性能を発揮しながら、消費電力を大幅に削減することに成功しています。これにより、バッテリー駆動時間の延長や、放熱設計の自由度の向上が実現されています。

Broadwellの低消費電力SKU

Broadwellにはさらに低消費電力を実現するSKUが存在します。Core M系列がその代表例で、TDPが4.5W～10Wの範囲で設定されています。

Core Mはファンレス設計を可能にするほど低消費電力であり、薄型タブレットやコンバーチブルノートPCなどに採用されています。Core Mを搭載することで、長時間のバッテリー駆動が可能となり、モビリティが大幅に向上します。

ただし、Core Mは低消費電力を実現するために、クロック周波数やキャッシュ容量などが制限されています。そのため、高負荷時の性能は通常のCore i系列と比較すると、やや劣る傾向にあります。

Broadwellの内蔵GPU

Broadwellの内蔵GPUに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Broadwellの内蔵GPUの特徴
BroadwellとHaswellの内蔵GPUの比較
Broadwellの内蔵GPUの性能

Broadwellの内蔵GPUの特徴

Broadwellには強化された内蔵GPUであるIntel HD Graphicsが搭載されています。この内蔵GPUは第8世代のIntel HDグラフィックスアーキテクチャをベースにしており、前世代のHaswellと比較して、大幅に性能が向上しています。

Broadwellの内蔵GPUは実行ユニット(EU)の数が増加しており、より多くのタスクを並列に処理できるようになりました。また、メモリ帯域幅も拡大されており、高解像度の映像出力やゲーミングなどの用途で、高いパフォーマンスを発揮します。

Broadwellの内蔵GPUはDirectX 11.2やOpenGL 4.3などの最新APIをサポートしており、ゲーム開発者にとっても魅力的な選択肢となっています。また、4Kディスプレイの出力にも対応しているため、高解像度コンテンツの再生にも適しています。

BroadwellとHaswellの内蔵GPUの比較

BroadwellとHaswellの内蔵GPUを比較すると、Broadwellの方が高性能であることがわかります。具体的にはBroadwellの内蔵GPUはHaswellと比較して、約20%～50%の性能向上を実現しています。

この性能向上は主に実行ユニット数の増加とメモリ帯域幅の拡大によるものです。例えば、Haswellの上位SKUであるCore i7-4790Kの内蔵GPUは20個の実行ユニットを搭載していますが、Broadwellの同等SKUであるCore i7-5775Cの内蔵GPUは48個の実行ユニットを搭載しています。

また、メモリ帯域幅も、Haswellが25.6GB/sであるのに対し、Broadwellは34GB/sに拡大されています。これにより、高解像度の映像出力やゲーミングなどの用途で、より高いパフォーマンスを発揮できるようになりました。

Broadwellの内蔵GPUの性能

Broadwellの内蔵GPUはゲーミングや動画編集などの用途で、優れた性能を発揮します。例えば、Core i7-5775Cの内蔵GPUはLoL(League of Legends)などの人気ゲームを、中～高画質設定で、60FPS以上の快適なフレームレートで動作させることができます。

また、動画編集においても、Broadwellの内蔵GPUは高い性能を示します。4K動画の編集やエンコードなどの処理を、高速かつスムーズに行うことができます。

ただし、Broadwellの内蔵GPUはあくまでもエントリークラスのディスクリートGPUと同等の性能であり、ハイエンドゲームを高画質で楽しむためにはより高性能なディスクリートGPUが必要となります。とはいえ、ライトゲームやマルチメディア処理など、日常的な用途であれば、Broadwellの内蔵GPUで十分な性能を発揮できるでしょう。