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公開：2024-09-22

住友林業がインドネシアで木質ペレット製造・販売事業開始、バイオマス発電の燃料安定供給に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 住友林業がインドネシアで木質ペレット製造・販売事業開始
• 合弁会社BLN社が2024年9月から試験生産を開始
• 2026年までに年間12万トンの生産を計画

住友林業の木質ペレット製造・販売事業参入

住友林業株式会社は木質ペレットの製造・販売事業に参入し、インドネシアの合弁会社PT. Biomassa Lestari Nusantara（BLN社）が2024年9月から試験生産を開始した。製造したペレットは全て住友林業グループが購入し、日本国内のバイオマス発電所を中心に販売する予定だ。^[1]

BLN社はインドネシア住友林業（SFI社）を通じ、PT. Dharma Satya Nusantara Tbk（DSNグループ）の100%子会社PT.Dharma Energi Investamaと合弁で2023年にインドネシア中部ジャワ州に設立された。DSNグループは木質ペレット製造と原材料の集荷を担当し、住友林業グループは品質管理と木質ペレットの販売を担当する体制が整えられている。

この事業では、DSNグループの原材料集荷体制とネットワークを活用し、BLN社工場近隣の木材加工工場や森林から発生する端材や未利用の小径木といった、これまで利用価値が乏しかった原材料を集荷して木質ペレットを製造する。2024年9月以降の第1フェーズでは年間6万トン、2026年を目処に第2フェーズとして年間12万トンへの増産を計画している。

住友林業の木質ペレット事業概要

バイオマス発電について

バイオマス発電とは、木材や農作物、生ゴミなどの生物由来の有機性資源（バイオマス）を燃料として発電を行う方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 再生可能エネルギーの一種として注目されている
• カーボンニュートラルな発電方式
• 安定的な電力供給が可能

経済産業省・資源エネルギー庁の「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度の電源構成におけるバイオマス発電の比率が「3.7％～4.6％」から「5％」に引き上げられている。ベースロード電源としての重要性が高まっており、バイオマス発電の燃料となる木質ペレットの需要も増加が見込まれている。

住友林業の木質ペレット事業に関する考察

住友林業の木質ペレット製造・販売事業参入は、再生可能エネルギー市場の拡大に向けた重要な一歩だ。自社グループの製造拠点を持つことで、確かな品質の木質ペレットを突発的な外的要因に左右されることなく長期にわたり安定供給できる点が大きな利点となるだろう。一方で、原材料の安定確保や競合他社との差別化が今後の課題となる可能性がある。

この事業によって、これまで利用価値が乏しかった木材端材や未利用小径木の有効活用が促進されることは、資源の有効利用と環境保護の観点から非常に意義深い。今後は、さらなる原材料の多様化や、より効率的な製造プロセスの開発など、持続可能性を高める取り組みが期待される。同時に、地域社会との共生や森林資源の適切な管理など、社会的責任を果たしていく姿勢も重要になってくるだろう。

長期的には、バイオマス発電の技術革新や政策動向に応じて、木質ペレットの需要がさらに拡大する可能性がある。住友林業には、この事業を通じて木材のカスケード利用を促進し、脱炭素化に貢献するリーディングカンパニーとしての役割が期待される。今後は、国内外の関連企業との協力関係を強化し、バイオマスエネルギー産業全体の発展に寄与していくことが望まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「インドネシアの合弁会社で木質ペレット製造・販売事業開始～木質バイオマス燃料の安定供給へ～ | 住友林業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000052275.html, (参照 24-09-22).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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