GoogleがWeb Vitals拡張機能の廃止を発表、2025年1月にサポート終了へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

GoogleがWeb Vitals拡張機能を廃止
サポートが2025年1月7日に終了
Chrome DevToolsに機能統合

GoogleがWeb Vitals拡張機能の廃止を発表、DevToolsへの機能統合を進める

GoogleはWeb Vitals拡張機能の廃止を2024年9月24日に発表し、サポートが2025年1月7日をもって終了することを明らかにした。この決定は、Chrome 129でリリースされた新しいリアルタイムメトリクスビューが Performance パネルに追加されたことを受けてのものだ。Web Vitals拡張機能の主要機能がChrome DevToolsに統合されることで、開発者はより強力なパフォーマンスデバッグ機能と共に使用できるようになる。^[1]

Web Vitals拡張機能は2020年のリリース以来、約20万人の開発者に利用されてきた。この拡張機能は、Core Web Vitalsプログラムの補助ツールとして、開発者がローカルメトリクスのパフォーマンスを発見する便利な方法を提供してきた。しかし、DevToolsへの機能統合により、Googleは「Core Web Vitals最適化の旅」にDevToolsで「ファーストクラスの扱い」を与えることを目指している。

Googleは開発者に対し、Performance パネルへの移行を急ぐよう促している。2025年1月7日以降、Web Vitals拡張機能は更新を受け取らなくなり、一部の機能が予告なく動作しなくなる可能性がある。また、DevToolsにまだ含まれていない重要な機能については、対応するIssueに+1を追加するか、新しいIssueを提出するよう開発者に呼びかけている。

Web Vitals拡張機能廃止の影響まとめ

	現状	2025年1月7日以降
サポート状況	継続中	終了
機能の所在	Web Vitals拡張機能	Chrome DevTools
開発者への影響	拡張機能での測定	DevToolsへの移行必要
更新	継続	停止
機能の安定性	保証	一部機能が動作停止の可能性

Core Web Vitalsについて

Core Web Vitalsとは、Googleが提唱するWebサイトのユーザー体験を測定するための重要な指標群のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ページの読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的安定性を評価
LCP（Largest Contentful Paint）、FID（First Input Delay）、CLS（Cumulative Layout Shift）の3指標で構成
Googleの検索ランキングファクターの一つとして使用

Core Web Vitalsは、Webサイトのパフォーマンスを客観的に測定し改善するための重要なツールとなっている。GoogleがWeb Vitals拡張機能を廃止し、その機能をChrome DevToolsに統合することで、開発者はより包括的な環境でこれらの指標を監視し最適化できるようになる。この変更は、Core Web Vitalsの重要性が増す中で、より効率的なWebパフォーマンス改善プロセスの実現を目指すGoogleの戦略の一環といえるだろう。

Web Vitals拡張機能廃止に関する考察

GoogleがWeb Vitals拡張機能を廃止し、その機能をChrome DevToolsに統合する決定は、開発者エクスペリエンスの向上という点で評価できる。DevToolsという統合環境内でCore Web Vitalsの測定が可能になることで、開発者はより効率的にパフォーマンス最適化作業を行えるようになるだろう。また、他のデバッグツールと併用しやすくなることで、より包括的なウェブサイト分析が可能になると期待される。

しかし、この移行に伴い、一部の開発者にとっては作業フローの変更が必要となり、短期的には生産性の低下が起こる可能性がある。特に、Web Vitals拡張機能の特定の機能に依存していた開発者にとっては、代替手段の探索や新しいツールの習得が必要となるかもしれない。Googleはこのようなリスクを最小限に抑えるため、十分な移行期間を設けるとともに、詳細なガイダンスを提供する必要があるだろう。

今後、GoogleはDevTools内でのCore Web Vitals測定機能をさらに拡張し、より高度な分析や最適化提案を提供することが期待される。例えば、AIを活用したパフォーマンス改善提案や、より詳細なメトリクス分析機能の追加などが考えられる。また、他のブラウザベンダーとの協力により、クロスブラウザ対応のパフォーマンス測定ツールの標準化が進むことも期待したい。