ソリトンとACSLがドローン映像活用で連携、公共安全分野での展開に期待

text: XEXEQ編集部

記事の要約

ソリトンとACSLがドローン映像活用で連携
Zaoシリーズを組み合わせた公共安全分野展開
国際ドローン展でデモ展示を実施

ソリトンとACSLのドローン映像活用連携の詳細

株式会社ソリトンシステムズと株式会社ACSLは、ドローン映像の伝送・共有に関するサービスと製品の提供強化を目的とした連携を推進することを発表した。両社は販売パートナー契約を締結し、ソリトンが開発する国産の映像伝送システム「Smart-telecaster™ Zao」とACSLの国産ドローンを組み合わせ、災害対応、防衛、警備といった公共安全分野での活用を共同で展開する予定だ。^[1]

ソリトンのZaoシリーズは、LTEや衛星などの複数の回線を束ねて使用するマルチリンクに対応しており、電波状況が不安定な環境でも安定的な映像伝送が可能である。加えて、独自のプロトコル「RASCOW」により超短遅延の伝送を実現している。このシステムはH.265コーデックを使用して高画質なリアルタイム映像を遠隔地へ伝送・共有することができ、多くの放送局や官公庁で採用された実績を持つ。

ACSLは販売パートナー契約締結後、自社製ドローンの映像を遠隔地へ伝送・共有するためにZaoシリーズの販売を開始する。取り扱いを予定しているソリトン製品には、Zao-X、Zaoウェアラブル、Zao SDK、Zao Cloudサービスが含まれる。両社は、この連携を通じて公共安全分野におけるドローン映像の利活用を推進していく方針だ。

	ソリトン	ACSL	連携内容
主要製品	Smart-telecaster™ Zao	国産ドローン	製品組み合わせ
技術特徴	マルチリンク、RASCOW	ドローン製造技術	映像伝送・共有
対象分野	映像伝送システム	ドローン開発・製造	公共安全分野
展開予定	Zaoシリーズ提供	Zaoシリーズ販売	共同展開・販売

Smart-telecaster™ Zaoとは

Smart-telecaster™ Zaoとは、ソリトンシステムズが開発した国産の映像伝送システムのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

LTEや衛星などの複数回線を束ねるマルチリンク対応
独自プロトコル「RASCOW」による超短遅延伝送
H.265コーデックによる高画質リアルタイム映像伝送

Smart-telecaster™ Zaoは、電波状況が不安定な環境下でも安定的な映像伝送を可能にする先進的なシステムである。マルチリンク技術により複数の通信回線を同時に利用し、通信の安定性と冗長性を確保している。また、独自開発のRASCOWプロトコルにより、映像の遅延を最小限に抑えつつ、高品質な映像伝送を実現しているのが特徴だ。

ドローン映像活用連携に関する考察

ソリトンとACSLの連携は、ドローン技術と映像伝送技術の融合による新たな可能性を示唆している。公共安全分野での活用が主眼に置かれているが、この技術の応用範囲は今後さらに拡大する可能性がある。例えば、災害時の状況把握や救助活動支援、大規模イベントの警備、インフラ点検など、人間の立ち入りが困難な場所での活用が期待できるだろう。

今後の課題としては、プライバシーの保護や法規制への対応が挙げられる。ドローンによる空撮と高精細な映像伝送技術の組み合わせは、個人情報の取り扱いに関する新たな問題を提起する可能性がある。また、ドローンの飛行に関する法規制の変更や、電波法との整合性など、技術の進化に法制度が追いつくかどうかも注目点だ。

一方で、この連携がもたらす技術革新は、防災・減災や社会インフラの維持管理など、社会的課題の解決に大きく貢献する可能性を秘めている。今後は、AIやIoTとの連携によるさらなる機能拡張や、5G・6Gなどの次世代通信技術との統合により、リアルタイム性と情報の質がさらに向上することが期待される。ドローン映像活用の新たな地平を切り開く、両社の今後の展開に注目が集まるだろう。