中村電機製作所とメカトラックスが防爆IoTゲートウェイNGATE-1を共同開発、プラントのデジタル化に貢献

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

中村電機製作所とメカトラックスが防爆IoTゲートウェイを共同開発
耐圧防爆型ゲートウェイ「NGATE-1」を発表
防爆エリアで使用可能なラズベリーパイベースのIoTゲートウェイ

防爆IoTゲートウェイ「NGATE-1」の特徴と機能

メカトラックス株式会社と株式会社中村電機製作所は、両社の技術を結集し、世界的にも例のない防爆エリアで使用可能なラズベリーパイベースのIoTゲートウェイ「NGATE-1」を共同開発した。このゲートウェイは、化学工場や石油プラントなどの爆発の危険性がある環境での使用を想定しており、国際的な防爆検定をパスしている。^[1]

NGATE-1は、LTE・WiFi・Bluetoothなどの無線接続に加え、LAN・各種シリアル・アナログなどの有線接続にも対応しており、多様な通信方式をサポートしている。また、電源管理や死活監視機能を搭載しており、電源断時などには自動シャットダウンと復旧を行うことで、安定した運用を実現している。

本製品は、防爆エリア（Zone1、Zone2）での使用が可能であり、IP66の保護構造を持つ。動作温度は0℃から+50℃までをカバーし、寸法は520(H)x 588(W) x 200(D)mm、質量は約15kgとなっている。CPUボードにはRaspberry Pi 4 Model B (RAM 2GB)を採用し、高い処理能力と拡張性を実現している。

	防爆構造	設置場所	通信機能	CPUボード
NGATE-1の主な仕様	ExdIIB+H2 T4 Gb	ゾーン1、2	LTE, Wi-Fi, Bluetooth, LAN	Raspberry Pi 4 Model B
保護等級	IP66	-	-	-
動作温度	0℃～+50℃	-	-	-
寸法	520(H)x 588(W) x 200(D)mm	-	-	-
質量	約15kg	-	-	-

防爆について

防爆とは、爆発性ガスや蒸気が存在する危険な環境下で使用される機器や設備が、爆発を引き起こさないように設計・製造されていることを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

火花や高温部分の露出を防ぐ構造設計
耐圧性や気密性の高い筐体の使用
特定のガス濃度や温度条件下での安全性の確保

防爆機器は、化学プラントや石油精製施設、製薬工場など、可燃性ガスや粉塵が存在する環境で広く使用されている。これらの機器は、厳格な国際基準や規格に基づいて設計・製造され、定期的な検査や認証を受けることで、危険区域での安全な運用を可能にしている。防爆技術の進歩により、従来は使用が制限されていた電子機器やIoTデバイスの導入が可能となり、産業分野におけるデジタル化や効率化が促進されている。

防爆IoTゲートウェイに関する考察

防爆IoTゲートウェイの導入により、これまでデジタル化が困難だった危険区域でのデータ収集や遠隔監視が可能となるが、同時にセキュリティリスクも増大する可能性がある。特に、外部ネットワークとの接続が増えることで、サイバー攻撃の標的となるリスクが高まるため、堅牢なセキュリティ対策が不可欠となるだろう。

今後、防爆IoTゲートウェイには、より高度なエッジコンピューティング機能や、AIを活用したリアルタイム異常検知システムの統合が期待される。また、5G通信への対応や、より小型・軽量化されたデバイスの開発も重要な課題となる。これらの機能強化により、プラントの運用効率や安全性が大幅に向上する可能性がある。

防爆IoTゲートウェイの普及は、従来のプラント管理手法に革新をもたらす可能性が高い。リアルタイムデータの活用により、予知保全や最適化が進み、プラントの稼働率向上やコスト削減につながることが期待される。一方で、従来のプラント管理者には、ITやデータ分析のスキルが求められるようになり、人材育成や組織改革も重要な課題となるだろう。