パーセフォニの炭素会計システムが山形銀行に採用、ファイナンスド・エミッションの一元管理が可能に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

パーセフォニの炭素会計システムが山形銀行に採用
三井住友銀行を通じた契約で日本IBMが導入支援
ファイナンスド・エミッションの一元算定が可能に

パーセフォニの炭素会計システムが山形銀行に導入

パーセフォニは2024年10月9日に、同社の企業・金融機関・政府機関向け気候管理・炭素会計プラットフォーム（CMAP）が山形銀行に採用されたことを発表した。この契約は三井住友銀行を通じて行われ、導入支援は日本IBMが提供する。本システムにより、国際的な排出算定基準に厳密に準拠した炭素会計が可能となる。^[1]

本サービスの導入により、山形銀行は多数の投融資先のGHG算定を一括して行うことが可能となり、算定作業の大幅な効率化が見込まれる。さらに、ファイナンスド・エミッションの分析・管理に取り組むことで、地域の脱炭素化への取り組みを強化することができる。この動きは、金融機関自身のカーボンニュートラルへの推進と、投融資先への脱炭素推進支援の両面で重要な意味を持つ。

パーセフォニジャパンカントリーマネージャーの坂本晃一氏は、本システムの採用により、山形銀行とその多くの投融資先企業における脱炭素化の取り組みを後押しし、カーボンニュートラルな社会作りに貢献できると述べている。パーセフォニは今後も、世界クラスの炭素会計プラットフォームの提供と専門知識の共有を通じて、あらゆる事業者の脱炭素化支援に努めていく方針だ。

パーセフォニの炭素会計システムの特徴

	機能	対応基準	メリット
特徴	ファイナンスド・エミッションの一元算定	GHGプロトコル、PCAF	算定作業の大幅な効率化
対象	企業、金融機関、政府機関	国際的な排出算定基準	地域の脱炭素化への取り組み強化
サポート	日本IBMによる導入支援	TCFDの推奨基準	投融資先の温室効果ガス排出量管理

ファイナンスド・エミッションについて

ファイナンスド・エミッションとは、金融機関が投融資を行った先の温室効果ガス排出量のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

金融機関のScope3排出量の一部として認識される
投融資ポートフォリオ全体の気候変動リスクを評価する指標となる
TCFDが推奨する開示項目の一つとして重要視されている

ファイナンスド・エミッションの算定は、金融機関が自社の気候変動リスクを理解し、脱炭素化戦略を立てる上で不可欠なプロセスとなっている。パーセフォニの炭素会計システムは、このファイナンスド・エミッションの算定を効率的に行うことを可能にし、金融機関の気候変動対策を支援する重要なツールとなっている。

パーセフォニの炭素会計システム導入に関する考察

パーセフォニの炭素会計システムが山形銀行に採用されたことは、地方銀行の気候変動対策への取り組みが本格化していることを示す重要な動きだ。このシステムにより、山形銀行は投融資先の温室効果ガス排出量を効率的に把握し、地域の脱炭素化を促進する新たな金融サービスの開発につなげることができる。一方で、中小企業が多い地方では、排出量データの収集や精度の確保が課題となる可能性がある。

今後、このようなシステムの導入が他の地方銀行にも広がることで、日本全体の金融セクターにおける気候変動対策が加速する可能性がある。ただし、システム導入だけでなく、銀行員の炭素会計に関する知識向上や、顧客企業との対話スキルの育成も同時に必要となるだろう。パーセフォニには、システム提供だけでなく、包括的な教育支援プログラムの開発も期待したい。

また、今回の導入を契機に、地域金融機関特有の気候変動リスクや機会の分析手法の開発が進むことも考えられる。例えば、地域の産業構造や自然環境を考慮した独自の評価指標の作成や、地域特性に応じた脱炭素化支援策の立案などが挙げられる。パーセフォニには、こうした地域特性を考慮したカスタマイズ機能の拡充を期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「パーセフォニの炭素会計システムが山形銀行に採用されました | PERSEFONI AI INC.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000101914.html, (参照 24-10-11).
IBM. https://www.ibm.com/jp-ja

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