カバーが下請法違反で公取委から勧告と指導、無償やり直し要求と支払遅延が問題に

text: XEXEQ編集部
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記事の要約

カバーが下請法違反で公取委から勧告と指導を受ける
無償でのやり直しと下請代金支払遅延が問題に
下請事業者23名に対し計243回の無償やり直しを要求

カバーの下請法違反により公正取引委員会から勧告と指導

公正取引委員会は2024年10月25日、ホロライブプロダクションを運営するカバーに対し下請法違反で勧告と指導を行ったことを発表した。カバーは2022年4月から2023年12月までの間、イラストや2D/3Dモデルの作成を委託していた下請事業者に対して発注書等で示されていない作業を無償でやり直させていた事実が明らかになったのだ。^[1]

カバーの行為は下請法第4条第2項第4号の規定に違反するとされ、無償でやり直しをさせられた下請事業者は23名、合計243回に及んでいた。さらに2022年7月から2024年2月までの間、下請事業者への代金支払遅延も発生しており、遅延利息の総額は115万2642円に達している。

公正取引委員会はカバーに対し、無償でのやり直しによる費用の支払いや下請法遵守体制の確立を求める勧告を行った。カバーは事業の急拡大による取引件数の増加や社内体制の不備を原因として挙げ、改善に向けた取り組みを進めることを表明している。

カバーへの下請法違反に関する勧告・指導の内容

項目	詳細
違反期間	2022年4月から2023年12月まで（無償やり直し）、2022年7月から2024年2月まで（支払遅延）
違反内容	発注書等に示されていない作業の無償やり直し要求、下請代金の支払遅延
影響を受けた下請事業者数	23名（無償やり直し）、29名（支払遅延）
違反回数	243回（無償やり直し）
遅延利息総額	115万2642円

下請法について

下請法とは下請代金支払遅延等防止法の略称で、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的とした法律のことを指す。主な規制内容として、以下のような点が挙げられる。

発注内容の書面による明確化の義務付け
下請代金の支払遅延の禁止
不当な給付内容の変更ややり直しの禁止

公正取引委員会によると、カバーは下請法第4条第2項第4号に違反する無償でのやり直し要求と、第4条第1項第2号に違反する支払遅延を行っていた。下請事業者への代金支払遅延による遅延利息は2024年9月17日までに支払済みとなっているが、無償やり直しに関する費用の支払いはこれからとなる。

下請法違反に関する考察

カバーの下請法違反は、VTuber業界の急成長に伴う企業の体制整備の遅れを浮き彫りにした事例として注目に値する。特にイラストや2D/3Dモデル制作のような創作性の高い業務において、発注内容の明確化と適切な対価の支払いが重要である点が改めて明らかになったと言えるだろう。

今後は下請事業者との取引における契約内容や仕様の明確化、支払い管理体制の強化が求められることになる。特に急成長企業においては、事業規模の拡大に応じた社内体制の整備や法令遵守の徹底が重要な課題となってくるだろう。

VTuber業界全体としても、クリエイターとの適切な取引関係の構築や法令遵守体制の確立が必要不可欠だ。今回の事例を教訓として、業界全体での取引の適正化と健全な成長に向けた取り組みが進むことが期待される。

参考サイト

^ 公正取引委員会. 「(令和6年10月25日)カバー株式会社に対する勧告等について | 公正取引委員会」. https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/oct/241025_cover.html, (参照 24-10-29).
公正取引委員会. https://www.jftc.go.jp/

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