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公開：2024-11-01

JAXAとスペースデータが世界初のISS環境デジタルツインを開発、宇宙ビジネスの新規参入促進へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JAXAとスペースデータが宇宙デジタルツインの共創活動を開始
• ISS「きぼう」日本実験棟の環境データをデジタル空間に再現
• 世界初となるISSデータを活用したデジタルツインをオープンソース化

JAXAとスペースデータによる宇宙デジタルツインの実現

JAXAとスペースデータは、J-SPARCの枠組みのもと、宇宙デジタルツインに関する共創活動を2024年10月31日に開始した。ISS「きぼう」日本実験棟で取得された温度や湿度、風量、照度などの船内環境データと微小重力環境をデジタル空間上に再現することで、宇宙環境の特性を誰もが把握できるようになるだろう。^[1]

宇宙デジタルツインでは、多様な事業アイディアや技術アイディアを低コストで試すことが可能になり、非専門家でも容易に宇宙環境での実証実験を行えるようになった。船内ドローン「Int-Ball」のデジタル再現も予定されており、宇宙ロボットのシミュレーション環境としても活用できる。

2030年以降のISS退役を見据え、商業宇宙ステーションでの活用に向けた取り組みも進められている。衣食住やエンタメなど多様な産業の参入が期待される中、デジタル空間上での事前検証によって、新規参入のハードルを大幅に下げることに成功した。

宇宙デジタルツインの主な特徴

宇宙デジタルツインの詳細はこちら

商業宇宙ステーションについて

商業宇宙ステーションとは、民間事業者が開発・運用する地球低軌道上の宇宙施設のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 衣食住からエンタメまで多様な産業での活用が可能
• 宇宙環境特有の条件に対応した専門知識が必要
• 軌道上での実証にコストと時間がかかる

ISSは2030年以降に退役を迎えることが決定しており、その後は民間企業による商業宇宙ステーションの時代へと移行する。デジタルツインの活用によって、宇宙環境での事前検証が容易になり、新規参入のハードルを大幅に下げることが可能となる。

宇宙デジタルツインに関する考察

JAXAとスペースデータの共創活動は、宇宙環境をデジタル空間に再現することで、専門家以外でも宇宙ビジネスへの参入が容易になるという点で画期的である。特にオープンソース化によって、世界中の企業や研究者が宇宙環境データを活用できるようになり、新たなイノベーションの創出が期待できるだろう。

今後はデジタルツインの精度向上や機能拡張が課題となる可能性がある。リアルタイムでの環境変化への対応や、より複雑な実験のシミュレーションなど、ユーザーのニーズに応じた機能の追加が必要になってくるだろう。データの更新頻度や保守運用体制の確立も重要な検討事項となる。

将来的には、月面や火星などの環境データも組み込まれることで、より広範な宇宙開発への活用が期待される。宇宙デジタルツインは、宇宙ビジネスの民主化を促進し、新たな経済圏の創出に貢献する可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「JAXA、スペースデータ「宇宙デジタルツイン」に関する共創活動を開始 | 株式会社スペースデータのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000080352.html, (参照 24-11-01).

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