【CVE-2024-49507】InDesign Desktop ID19.5以前に深刻な脆弱性、任意のコード実行の可能性が判明
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記事の要約
- InDesign DesktopにHeap-based Buffer Overflowの脆弱性
- InDesign Desktop ID19.5以前のバージョンに影響
- 悪意のあるファイルを開くことで任意のコード実行の可能性
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InDesign Desktop ID19.5のHeap-based Buffer Overflow脆弱性
Adobeは2024年11月12日、InDesign Desktop ID19.5以前のバージョンにおいてHeap-based Buffer Overflowの脆弱性【CVE-2024-49507】を公開した。この脆弱性は現在のユーザーコンテキストで任意のコード実行を引き起こす可能性があり、悪意のあるファイルを開くことで攻撃が実行される危険性が指摘されている。[1]
脆弱性の深刻度はCVSS v3.1で7.8(HIGH)と評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低く、特権レベルは不要だが、ユーザーの操作が必要とされている。影響範囲はシステムの機密性・完全性・可用性すべてにおいて高いレベルでの被害が想定されるだろう。
CISAによる分析では、この脆弱性に関する自動化された攻撃は確認されておらず、技術的な影響は全体に及ぶとされている。SSVCによる評価では、エクスプロイトの自動化は確認されていないものの、技術的な影響は深刻なレベルに分類されている。
InDesign Desktopの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE識別子 | CVE-2024-49507 |
影響を受けるバージョン | ID18.5.2、ID19.5以前 |
脆弱性の種類 | Heap-based Buffer Overflow (CWE-122) |
CVSS評価 | 7.8 (HIGH) |
攻撃条件 | ユーザーによる悪意のあるファイルの開封が必要 |
想定される影響 | 任意のコード実行、システムの機密性・完全性・可用性への影響 |
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Heap-based Buffer Overflowについて
Heap-based Buffer Overflowとは、プログラムのヒープ領域でバッファオーバーフローが発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- プログラムのヒープ領域でメモリ制御の問題が発生
- バッファの境界を超えたデータ書き込みが可能
- 任意のコード実行やシステムクラッシュの原因となる
InDesign Desktopの脆弱性では、ヒープ領域のバッファオーバーフローを利用して任意のコードを実行する可能性が指摘されている。この攻撃は現在のユーザーコンテキストで実行され、システムの機密性・完全性・可用性に重大な影響を及ぼす可能性があるため、早急なアップデートが推奨される。
InDesign Desktopの脆弱性に関する考察
InDesign Desktopの脆弱性は、ユーザーの操作を必要とすることから、フィッシング攻撃との組み合わせによる被害拡大が懸念される。特に企業での利用が多いInDesignをターゲットとした標的型攻撃では、正規のファイルを装った悪意のあるドキュメントが使用される可能性が高いだろう。
今後の対策として、ファイル開封時の検証機能の強化やサンドボックス環境での実行など、多層的な防御メカニズムの実装が求められる。特にヒープメモリの管理においては、より厳格なバウンダリチェックやメモリ保護機能の実装が不可欠になってくるだろう。
長期的には、バッファオーバーフロー対策としてメモリセーフな言語への移行やコードの近代化が望まれる。セキュリティ機能の強化と同時に、ユーザビリティを損なわない形での実装が求められるため、開発者とセキュリティ専門家の緊密な連携が重要になってくるだろう。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-49507, (参照 24-11-19).
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