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【CVE-2024-50257】Linuxカーネルのnetfilterでuse-after-free脆弱性が発見、複数バージョンでパッチ提供へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • netfilterにuse-after-freeの脆弱性が発見
  • ip6table_natモジュールのアンロード時に警告が発生
  • 複数のバージョンでセキュリティパッチが提供

Linuxカーネルのnetfilterにおけるuse-after-free脆弱性

Linuxカーネルのコミュニティは2024年11月9日、netfilterコンポーネントにおけるuse-after-free脆弱性を修正するセキュリティアップデートを公開した。ip6table_natモジュールのアンロード時にget_info()関数で発生する参照カウントの警告が確認され、モジュールの状態管理に問題があることが判明している。[1]

この脆弱性は【CVE-2024-50257】として識別されており、複数のLinuxバージョンに影響を及ぼす可能性があることが確認された。脆弱性の深刻度は重要とされ、特にip6table_natモジュールを使用している環境では早急な対応が必要とされている。

脆弱性の発生メカニズムは、モジュールのアンロードとget_info()関数の同時実行時に起こることが特定されている。問題の根本的な原因は、xt_templatesリストからテーブルが削除された後もxt_netリスト内のテーブル参照が残り続けることにある。

Linuxカーネルのバージョン別影響範囲まとめ

バージョン 影響状況
Linux 5.15 影響あり
Linux 6.1.116 修正済み
Linux 6.6.60 修正済み
Linux 6.11.7 修正済み
Linux 6.12-rc6 修正済み

use-after-freeについて

use-after-freeとは、プログラムがメモリを解放した後にそのメモリ領域にアクセスしようとする脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 解放済みメモリへの不正なアクセスによる問題
  • システムクラッシュや任意コード実行の可能性
  • メモリ管理の不備により発生する深刻な脆弱性

netfilterのuse-after-free脆弱性は、モジュールのアンロード処理とテーブル参照の競合状態によって引き起こされることが判明している。この問題は、xt_templatesリストからテーブルが削除された後もxt_netリスト内のテーブル参照が残存することで発生するため、特にip6table_natモジュールを使用する環境では注意が必要だ。

netfilterの脆弱性に関する考察

今回のnetfilterの脆弱性は、Linuxカーネルのセキュリティ管理において重要な示唆を与えている。特にモジュールのライフサイクル管理とメモリ解放のタイミング制御が課題として浮き彫りになり、これらの問題に対する包括的な対策が必要とされるだろう。

今後は同様の問題を未然に防ぐため、より厳密なメモリ管理メカニズムの実装が求められる。特にマルチスレッド環境における参照カウントの管理やリソースの解放タイミングについて、より安全性の高い設計パターンの採用が望まれるだろう。

また、この脆弱性の発見を契機として、他のカーネルモジュールにおいても同様の問題が潜在していないか、包括的な調査が必要となる。特にネットワークスタックに関連するコンポーネントでは、同様のリソース管理の問題が存在する可能性が高く、早急な対応が求められている。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50257, (参照 24-11-19).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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