オムロンヘルスケアが血圧計用心房細動検出アルゴリズムIntelligence AFibを開発、2025年以降の日本発売へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

オムロンが心房細動検出アルゴリズムを新開発
血圧測定時に心房細動の可能性を検出可能
2025年以降の日本発売を目指す新技術

オムロンヘルスケアが開発した血圧計用Intelligence AFibの詳細

オムロンヘルスケアは血圧測定と同時に心房細動の検出を行う血圧計用の新アルゴリズム「Intelligence AFib」を開発し、欧米や中国などの市場で販売を開始した。この革新的なアルゴリズムは血圧測定時の圧脈波データを解析することで心房細動の可能性を検出することが可能であり、日本市場においても2025年以降の発売を予定している。^[1]

Intelligence AFibは心電図を記録せずに血圧測定だけで不整脈の一種である心房細動の可能性を検出できる画期的な技術として注目を集めている。オムロンが50年間蓄積してきた圧脈波データに関する知見とAI技術を活用することで、圧脈波パターンの解析による高精度な心房細動検出を実現したのだ。

Intelligence AFibを搭載した血圧計は米国食品薬品局（FDA）のDeNovo認可を取得しており、心房細動の可能性を検出する血圧計として米国初の認可取得となる。高血圧患者は心房細動の発症リスクが通常の3倍になることから、日常的な血圧測定時に心房細動の早期発見が可能となる新技術の意義は大きいだろう。

Intelligence AFibの特徴まとめ

項目	詳細
開発企業	オムロンヘルスケア株式会社
主な機能	血圧測定時の圧脈波データによる心房細動検出
技術基盤	50年間の圧脈波データとAI技術の活用
認証状況	米国FDAのDeNovo認可を取得
販売地域	欧米、中国で販売中、日本は2025年以降を予定

心房細動について

心房細動とは不整脈の一種であり、心原性脳塞栓症の主要な要因として知られている病態のことだ。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

患者の約4割が自覚症状を伴わない無症候性
高血圧症患者は発症リスクが通常の3倍
早期発見と治療介入が重要な疾患

心房細動患者の圧脈波は不規則なパターンを示すことが特徴であり、Intelligence AFibはこの特性を活用している。オムロンは1973年の血圧計初号機開発以来50年にわたって圧脈波データを蓄積しており、その豊富なデータとAI技術の組み合わせによって高精度な検出を実現した。

Intelligence AFibに関する考察

血圧計での心房細動検出は高血圧患者の健康管理において画期的な進歩となる可能性を秘めている。特に心房細動患者の約4割が無症候性であることを考慮すると、日常的な血圧測定時に心房細動の可能性を検出できるIntelligence AFibの価値は極めて高いだろう。

今後の課題として、心房細動の検出精度のさらなる向上や誤検知の低減が挙げられる。圧脈波パターンは個人差が大きく、様々な要因によって変動する可能性があるため、AIアルゴリズムの継続的な改善が必要になるだろう。

将来的には、蓄積されたデータを活用した予防医療への展開も期待される。血圧データと心房細動検出の組み合わせにより、循環器疾患の早期発見や予防に向けた新たな知見が得られる可能性を秘めているのだ。

参考サイト

^ オムロンヘルスケア. 「血圧測定中に「心房細動の可能性」を検出する次世代技術"Intellisense AFib"を開発」. https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2024/1128.html, (参照 24-11-30).
Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html

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