AI

エーアイ

公開：2024-08-09

NTTが連鎖型AI推進のためAI-CIXを設立、産業変革の実現を目指す

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• NTTがAI-CIXを2024年8月に設立
• 連鎖型AIによる産業変革を目指す
• 小売・流通業界のSCM最適化に取り組む

NTTによるAI-CIX設立と連鎖型AIの推進

日本電信電話株式会社は、2024年8月に株式会社NTT AI-CIX（AI-Cross Industry transformation）を設立することを発表した。この新会社は、個別企業のAI・DXから、複数企業間や業界横断でのAI・DXへとシフトする社会変化に対応し、新たな産業変革を目指すものだ。NTTが培ってきたデジタルツインの予測・最適化AIと連鎖技術を活用し、個別業務からサプライチェーン全体の最適化までを実現する。^[1]

AI-CIXの特徴は、コンサルティングからプロダクト/ソリューション開発、AIプラットフォームサービスまでを一気通貫で提供することにある。具体的な取り組みとして、小売・流通業界におけるサプライチェーン全体最適化を目指し、株式会社トライアルホールディングスとの連携協定を締結している。トライアルの小売業界の知見・店舗・データとNTTのデータサイエンス分野の知見と技術を組み合わせ、店舗運営効率化や物流効率化、顧客価値向上などの実現を進めている。

NTT AI-CIXは、資本金19.5億円で2024年8月26日に設立予定だ。主な事業内容は、デジタルコンピューティング技術等を活用したコンサルティング、AIモデル開発等のソリューションサービスの提供、および連鎖型AI（業務・業界横断の予測最適化AIモデル）のプラットフォームサービス提供である。今後も様々な産業分野で培った知見を生かし、顧客やパートナー企業と共に社会実装を加速させ、新たな価値創出とビジネス創出に取り組むとしている。

NTT AI-CIXの概要と主な事業内容

連鎖型AIについて

連鎖型AIとは、複数のAIが業務・業界横断で互いに連携する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 個別業務からサプライチェーン全体の最適化が可能
• 複数企業間や業界横断でのAI・DXを実現
• 予測・最適化AIモデルを業務・業界を越えて連携

連鎖型AIは、NTTが長年取り組んできたデジタルツインの予測・最適化AIとその連鎖技術（デジタルツインコンピューティング）を基盤としている。この技術により、従来の個別企業や個別業務におけるAI活用の限界を超え、複数の企業や業界を跨いだ最適化や新たな価値創造が可能となる。NTT AI-CIXは、この連鎖型AIを核としたプラットフォームサービスを提供し、産業全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させることを目指している。

NTT AI-CIXの設立に関する考察

NTT AI-CIXの設立は、AI技術の進化と産業構造の変化が交差する地点に位置しており、今後の日本のデジタル戦略に大きな影響を与える可能性がある。連鎖型AIの実用化が進めば、企業間や業界間の壁が低くなり、これまで困難だった大規模な最適化や予測が可能になるだろう。一方で、データの共有や連携に関するセキュリティや法的な課題、さらには既存の業界構造や商慣習との軋轢など、克服すべき問題も少なくない。

今後、AI-CIXには技術的な革新だけでなく、業界や企業文化の違いを乗り越える調整能力も求められるだろう。特に、小売・流通業界でのサプライチェーン最適化の成功事例を他の産業分野にも展開できるかが鍵となる。また、AIの判断に依存しすぎることで人間の意思決定の重要性が軽視されるリスクも考慮し、人間とAIの適切な役割分担を模索する必要があるだろう。

長期的には、NTT AI-CIXの取り組みが日本の産業競争力向上にどのように寄与するかが注目される。グローバル企業との技術競争や、国内の中小企業へのAI技術の普及など、多角的な視点での戦略展開が期待される。連鎖型AIの社会実装を通じて、日本が直面する少子高齢化や労働力不足などの構造的課題の解決にも貢献できるポテンシャルを秘めている。

参考サイト

1. ^ NTT. 「株式会社NTT AI-CIXの設立について～「個別AI」から「連鎖型AI」の推進による産業変革の実現をめざす～ | ニュースリリース | NTT」. https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/08/07/240807d.html, (参照 24-08-09).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「AI」に関するコラム一覧「AI」に関するニュース一覧