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公開：2024-12-13

アークエッジ・スペースがJAXAの月測位システム定常運用サービス検討事業者に選定、月面経済圏の発展に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• アークエッジ・スペースがLNSS定常運用サービスの検討事業者に選定
• 2030年代前半の南極域でのFOC開始を目指し高精度化を検討
• 東京大学との共同研究で月面経済活動のインフラ構築に貢献

アークエッジ・スペースのLNSS定常運用サービス検討事業者選定

アークエッジ・スペースは、JAXAが実施する「月測位システム（LNSS）のFOCに向けたフィージビリティ・スタディ（その１）」の契約相手方として2024年11月20日に選定された。月通信・測位の国際フレームワークであるLunaNetの検討がNASA・ESA・JAXAで進められており、各国共同で月にGNSSの様な測位衛星システムを構築する構想が国際的に進められているのだ。^[1]

LNSSは月測位サービスLANSの衛星ノードの一つを構成し、LunaNetで標準化される測位信号AFSを欧米の測位衛星と共に月面に向けて配信する計画となっている。アルテミス計画を始めとする月面活動の活発化により、人類の生活圏・経済圏が月面へ拡大し、様々なビジネスを含む月面産業が立ち上がろうとしているのだ。

本検討では、搬送波位相のTDCP、地上局観測、南極域ビーコンからの測位信号、光学観測を追加し、LNSS衛星の軌道時刻決定精度を向上させることによって月測位精度の高精度化を達成し得るかの検討を実施する。東京大学との共同研究により、各国との相互運用性を確保しつつ、月探査および月面ビジネス活動に資する実用的な月測位のサービス運用に貢献するだろう。

LNSS定常運用サービスの概要

事業の詳細はこちら

LunaNetについて

LunaNetとは、月における通信・測位の国際フレームワークのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• NASA・ESA・JAXAによる国際共同検討プロジェクト
• 月面でのGNSS型測位衛星システムの構築を目指す
• 標準化された測位信号AFSを用いた相互運用性の確保

月面活動には地上と同様に測位や通信等の基礎インフラが必要不可欠であり、より高精度かつ広域における月測位サービスへのニーズが高まると予測されている。各国では既に月面活動の活発化に向け、基礎インフラの一環としての定常的な月測位サービスの検討が進められているのだ。

月測位システムの実用化に関する考察

月測位システムの実用化において、各国との相互運用性の確保は極めて重要な課題となっている。JAXAのLNSSとLunaNetの連携により、月面でのローバー走行や基地建設等において、ユーザーは月測位の初期段階からサービスを享受することが可能になるだろう。

今後の課題として、月面環境特有の技術的な問題や、国際標準規格の策定に向けた調整が挙げられる。搬送波位相のTDCPや光学観測などの新技術を活用することで、これらの課題を克服し、より精度の高い測位サービスの提供が期待できるだろう。

将来的には、月面での経済活動の拡大に伴い、測位システムの重要性がさらに増すと考えられる。アークエッジ・スペースと東京大学の共同研究による技術開発の成果が、月面インフラの発展に大きく貢献することを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「アークエッジ・スペース、JAXAの月測位システム(LNSS)の定常的運用サービスに向けたフィージビリティ・スタディに選定 | 株式会社アークエッジ・スペースのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000073065.html, (参照 24-12-13).

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