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公開：2025-03-03

八馬汽船とKirarinが外航船員向け洋上医療サービスを開始、低軌道衛星通信活用で24時間365日の健康管理を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 八馬汽船とKirarinが外航船員向け洋上医療サービスの実証実験を開始
• 低軌道衛星通信を活用した24時間365日のオンライン医療相談を提供
• 指頭採血による健康チェックとメンタルヘルスケアも実施

外航船員向け健康管理プラットフォームの実証実験開始

株式会社Kirarinと八馬汽船株式会社は2025年2月28日、日本初となる低軌道衛星通信を活用した外航船員向け統合型健康管理プラットフォーム「（仮）Maritime Smart Care360」の実証実験を開始すると発表した。長期間船上で過ごす船員の健康管理向上を目指し、医療相談からメンタルヘルスケアまでを包括的にサポートする体制を構築している。^[1]

実証実験では日本とオーストラリアを結ぶ2航路において、計40名の船員を対象にリアルタイムビデオ通話によるオンライン医療相談やメンタルヘルスチェックを実施する。船内セルフ検査との連携により、従来の無線通信による限定的な医療アクセスの課題を解決し、陸上に近い医療環境の実現を目指すものだ。

海運業界では船員の労働環境改善が喫緊の課題となっており、特にLGBTQ+に関する課題や心理的負担の軽減が重要視されている。八馬汽船株式会社は2023年2月に「健康企業宣言」を行い、2024年4月には健康優良企業「銀の認定」を取得するなど、従業員の健康管理に積極的に取り組んでいる。

Maritime Smart Care360の機能まとめ

低軌道衛星通信について

低軌道衛星通信とは、地球の低軌道を周回する人工衛星を使用した通信システムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 通信遅延が少なく高速なデータ通信が可能
• 地球全域をカバーする広範なネットワークを構築
• 従来の静止衛星と比べて通信の安定性が高い

洋上での医療サービス提供において、低軌道衛星通信の活用は画期的な解決策となっている。医師とのリアルタイムビデオ通話や健康データの送受信を可能にし、船員の健康管理における通信環境の制約を大幅に改善することが期待できる。

Maritime Smart Care360に関する考察

Maritime Smart Care360は船員の健康管理における革新的なソリューションとして高く評価できる。24時間365日の医療相談体制と多言語対応により、外国籍船員を含むすべての乗組員が必要な時に適切な医療支援を受けられるようになったことは大きな進歩であり、船員の健康と安全を確保する上で重要な一歩となるだろう。

実証実験の成果を踏まえた今後の課題として、通信インフラの安定性確保や医療データのセキュリティ対策が挙げられる。また、船員の個人情報保護やプライバシーへの配慮も重要な検討事項となるため、関連法規への準拠とともに、船員が安心して利用できる体制づくりが求められるだろう。

海運業界全体への展開に向けては、コスト面での最適化や運用体制の標準化が必要になる。特に中小規模の船会社への普及を促進するためには、導入・運用コストの低減や補助金制度の整備など、行政との連携による支援体制の構築が望まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「日本初！低軌道衛星通信を活用した外航船員向け洋上リアルタイムオンライン総合医療サービス「(仮）Maritime Smart Care360」実証実験を開始 | 株式会社Kirarinのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000155460.html, (参照 25-03-03).

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