【CVE-2024-39398】アドビのcommerceとMagento Open Sourceに認証関連の脆弱性、情報漏洩のリスクあり

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
アドビの商用製品とオープンソース版に認証関連の脆弱性
アドビ製品の脆弱性の影響範囲まとめ
過度な認証試行の不適切な制限について
アドビの脆弱性対応に関する考察
参考サイト

記事の要約

アドビのcommerceとMagento Open Sourceに脆弱性
過度な認証試行の不適切な制限が問題
情報取得や改ざんのリスクあり、対策が必要

アドビの商用製品とオープンソース版に認証関連の脆弱性

アドビは2024年8月13日、同社の商用製品commerceとオープンソース版のMagento Open Sourceに、過度な認証試行を適切に制限できない脆弱性が存在すると発表した。この脆弱性はCVE-2024-39398として識別されており、CVSS v3による基本値は7.4（重要）と評価されている。影響を受けるバージョンは、commerce 2.4.5以前およびMagento Open Source 2.4.5以前だ。^[1]

この脆弱性の特徴として、攻撃元区分がネットワークであり、攻撃条件の複雑さが高いことが挙げられる。攻撃に必要な特権レベルは不要で、利用者の関与も不要とされている。影響の想定範囲に変更はないものの、機密性と完全性への影響が高いと評価されている。これは、攻撃者が認証を突破できた場合、重要な情報にアクセスしたり、データを改ざんしたりする可能性があることを示唆している。

アドビはこの脆弱性に対する正式な対策を公開しており、ユーザーに対して適切な対応を呼びかけている。具体的な対策方法については、アドビのセキュリティ情報（APSB24-61）を参照することが推奨されている。この脆弱性は、eコマースプラットフォームの重要な部分に影響を与える可能性があるため、影響を受ける可能性のあるユーザーは速やかに対策を講じることが重要だ。

アドビ製品の脆弱性の影響範囲まとめ

	commerce	Magento Open Source
影響を受けるバージョン	2.4.3以前、2.4.4、2.4.5	2.4.3以前、2.4.4、2.4.5
CVSSスコア	7.4（重要）	7.4（重要）
攻撃元区分	ネットワーク	ネットワーク
攻撃条件の複雑さ	高	高
機密性への影響	高	高

過度な認証試行の不適切な制限について

過度な認証試行の不適切な制限とは、システムが連続的な認証失敗に対して適切な制限を設けていない状態のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ブルートフォース攻撃を容易にする可能性がある
アカウントロックアウトなどの防御機構が不十分
不正アクセスのリスクを高める

この脆弱性は、アドビのcommerceおよびMagento Open Sourceの認証システムに存在している。攻撃者は、この脆弱性を悪用して大量の認証試行を行い、正規ユーザーのクレデンシャルを推測する可能性がある。CVSSスコアが7.4と高く評価されていることからも、この脆弱性の深刻さが伺える。適切な対策を講じないと、eコマースサイトの安全性が大きく損なわれる可能性があるため、早急な対応が求められる。

アドビの脆弱性対応に関する考察

アドビが迅速にこの脆弱性を公表し、対策を提供したことは評価に値する。eコマースプラットフォームのセキュリティは、オンラインビジネスの信頼性に直結するため、このような迅速な対応は重要だ。しかし、今後はこのような認証関連の脆弱性を設計段階で防ぐことが課題となるだろう。多要素認証やリスクベースの認証など、より強固な認証メカニズムの導入を検討する必要がある。

また、この事例は、オープンソース版と商用版の両方に同様の脆弱性が存在していたことを示している。これは、コードベースの共有がセキュリティリスクも共有することにつながる可能性を示唆している。今後、アドビはオープンソースコミュニティとの協力を強化し、脆弱性の早期発見と修正のプロセスを改善する必要があるだろう。セキュリティ研究者との積極的な協働も、潜在的な脆弱性の発見に役立つ可能性が高い。

長期的には、アドビはAIを活用した脆弱性検出システムの導入や、定期的なセキュリティ監査の強化など、より予防的なアプローチを採用することが期待される。また、ユーザー企業に対しても、定期的なセキュリティアップデートの重要性を啓発し、脆弱性対策のベストプラクティスを共有することで、エコシステム全体のセキュリティレベルを向上させることができるだろう。