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公開：2024-08-31

長谷工とTOPPANエッジが建設現場DX推進のためRFIDセンサーシステムを開発、コンクリート強度の遠隔モニタリングを実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 長谷工とTOPPANエッジがRFIDセンサーシステムを開発
• コンクリート強度をリアルタイムで遠隔モニタリング可能
• 2025年度中の本格導入を目指す

長谷工とTOPPANエッジが共同開発したRFIDセンサーシステム

長谷工コーポレーションとTOPPANエッジは、建設現場のDXを推進するため、RFIDと温度センシング技術を活用した「RFIDセンサーシステム」を開発した。このシステムは、コンクリートの強度発現を遠隔で確認可能にし、2020年4月から共同研究を実施してきた成果である。2024年初頭より建設現場での検証を開始し、2025年度中の本格導入を目指している。^[1]

本システムの特長は、型枠内側に設置された「RFIDセンサー」がコンクリート温度を測定し、その温度データからリアルタイムに強度発現をモニタリングできる点にある。これにより、従来必要だった外部機関による圧縮強度試験が不要となり、次工程への迅速な移行が可能になる。結果として、作業効率の向上とCO2排出量および廃棄物の削減が期待できるのだ。

RFIDセンサーはシール状で型枠内側に簡単に貼付でき、配線処理や型枠加工が不要である。また、非常に薄型のため、型枠取り外し後のコンクリート表面への影響も最小限に抑えられる。測定されたデータは無線で読み取り機に記録され、クラウドに自動転送される仕組みとなっており、遠隔地からもリアルタイムで強度発現の確認が可能となっている。

RFIDセンサーシステムの特徴まとめ

RFIDについて

RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略称で、電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 非接触での情報の読み取りと書き込みが可能
• 複数のタグを同時に読み取ることができる
• 耐環境性に優れ、過酷な条件下でも使用可能

本システムでは、RFIDにさらに温度センサーを組み合わせることで、コンクリートの温度データを効率的に収集している。RFIDタグは固有IDに加えて温度センサーを内蔵しており、リーダー・ライターからの電波を電源として作動するため、電池交換が不要で小型化・薄型化が可能となっている。これにより、建設現場での効率的なデータ収集と分析が実現されているのだ。

RFIDセンサーシステムに関する考察

RFIDセンサーシステムの開発は、建設業界のDX推進において画期的な一歩と言える。従来の方法と比較して、作業効率の大幅な向上とコスト削減が期待できるだけでなく、環境負荷の軽減にも貢献する可能性が高い。一方で、新技術の導入には常にリスクが伴うため、システムの信頼性や精度の検証、現場作業員の教育訓練なども重要な課題となるだろう。

今後起こり得る問題としては、データセキュリティの確保や、異常値の検出・対応方法の確立などが挙げられる。これらの課題に対しては、暗号化技術の導入や、AIを活用した異常検知システムの開発など、さらなる技術革新が求められるかもしれない。また、建設現場特有の環境下でのRFIDセンサーの耐久性向上も、重要な研究テーマとなる可能性が高い。

将来的には、このシステムをBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）と連携させることで、建築物のライフサイクル全体を通じたデータ管理が可能になるかもしれない。また、他のIoTデバイスとの統合により、建設現場の総合的な監視・管理システムへと発展することも期待できる。建設業界全体のデジタル化を加速させる起爆剤として、本システムの今後の展開に注目が集まるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「長谷工コーポレーションとTOPPANエッジコンクリートの強度発現管理をDXする「RFIDセンサーシステム」を開発 | TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001471.000033034.html, (参照 24-08-31).

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