Apple News+にスペリングゲーム「Quartiles」とオフラインモードが追加、有料会員向けの新機能でサービス拡充

text: XEXEQ編集部

Apple News+の新機能に関する記事の要約

Apple News+にQuartilesという新しいスペリングゲームが追加
Apple News+にオフラインモードが追加され、インターネットに接続していなくても最近のニュースコンテンツにアクセス可能に
iOS 17.5以降を搭載したiPhoneとiPadでQuartilesとオフラインモードが利用可能に
Quartilesでは2〜4文字のタイルを選択して単語を作り、単語の長さに基づいてポイントを獲得

Quartilesのルール変更により単語の形成が容易に

2024年5月13日、Apple News+はQuartilesというスペリングゲームのルールを変更した。これまでは最低5文字以上の単語を作る必要があったが、新ルールでは2〜4文字のタイルを選択するだけで単語を形成できるようになった。^[1]

ルール変更の理由について、Apple News編集長のLauren Kernは「より多くのユーザーに楽しんでもらうため」と説明している。短い単語でも高得点を獲得できるようになったことでゲームの難易度が下がり、子供から大人まで幅広い層に親しみやすくなったと言えるだろう。

一方で真剣にスペリングスキルの向上を目指すユーザーからは、ゲームの教育的価値が損なわれるのではないかという懸念の声もある。Appleとしては、エンターテインメント性と学習要素のバランスをどう取っていくかが課題となりそうだ。

Apple News+有料会員向けの新機能はユーザーの囲い込み戦略

Apple News+が有料会員向けに次々と新機能を投入している背景には、他社との差別化を図り、ユーザーの囲い込みを狙う戦略があると考えられる。クロスワードパズルやオフラインモード、Quartilesといった付加価値の高いコンテンツを独占的に提供することで、サービスの魅力を高め解約を防ぐ狙いがあるのだろう。

Appleは近年、ハードウェア販売に加えてサブスクリプションサービスの拡充に力を入れている。2019年に開始したApple News+はAppleのサービス事業の柱の一つとして位置づけられており、着実に有料会員数を伸ばしてきた。専用コンテンツの充実は、その成長を維持するための重要な施策と言える。

ただし、魅力的なコンテンツを追加し続けるためには、多額の開発コストがかかる。Apple News+の収益性を高めながら「いかに継続的な投資を行っていくか」がサービスの長期的な成功の鍵を握ることになるだろう。

考察

Apple News+の新機能はニュースアプリの枠を超えて、総合的なエンターテインメントプラットフォームへと進化する可能性を示唆している。スペリングゲームやクロスワードパズルといったコンテンツは、ニュースの閲覧だけでは満たされないユーザーの多様なニーズに応えるものであり、サービスの付加価値を高める上で効果的だ。今後は音声コンテンツやショートビデオなど、さらに幅広いジャンルのコンテンツが追加されていくことが予想される。

一方でApple News+の新機能の登場は、ニュースメディア業界に一石を投じるものでもあるだろう。これまで多くのメディアはウェブサイトやアプリで独自のコンテンツを提供し、広告収入や課金収入を得てきた。しかし、Apple News+のようなアグリゲーションサービスが独自コンテンツを拡充することで、個々のメディアとの競争が激化する可能性がある。メディア各社は提供する情報の質や速報性、専門性などの面で差別化を図ると同時に、新たな収益モデルの開拓を迫られることになりそうだ。

また、ニュースアプリにゲーム要素が取り入れられることで、情報との付き合い方自体も変化していく可能性がある。従来、ニュースの消費は受動的で一方向的なものだったが、クイズやパズルを通じてユーザーが能動的に参加することで、情報との相互作用が生まれ学びや発見につながる体験が提供される可能性がある。Apple News+の取り組みは、情報とエンターテインメントの融合という新しい潮流を生み出す一歩となるかもしれない。