JMCとSTGが業務提携契約を締結、非鉄鋳造とマグネシウムダイカスト事業の拡大へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

JMCとSTGが業務提携契約を締結
非鉄砂型鋳造とマグネシウムダイカストで協力
両社の強みを活かした事業成長を目指す

JMCとSTGの業務提携による非鉄鋳造事業の拡大

株式会社JMCと株式会社STGは2024年9月11日に業務提携契約を締結し、非鉄砂型鋳造とマグネシウムを中心としたダイカスト工法領域での事業拡張に向けた協議を開始した。両社は製造および販売分野で強みを活かしたものづくりを進め、相互の事業成長に向けた協力体制の確立や技術・人材交流を積極的に推進していく方針だ。^[1]

JMCは3Dプリンター事業、鋳造事業、CT事業を展開しており、非鉄砂型鋳造による量産領域への拡張やギガキャストに代表される大型鋳造品対応への積極的な設備投資を行っている。一方STGは、マグネシウム合金部品の金型鋳造技術を長年蓄積しており、自動車部品や精密機械部品など様々な分野での部品生産が可能となっている。

この業務提携により、JMCはSTGのダイカスト工法の知見と海外工場における製造も視野に入れた量産提案力の強化が見込まれる。STGは、JMCの試作および品質担保ノウハウの獲得や、デジタルマーケティングを含めた積極的な営業展開が可能となる。両社は互いのサービスを各々の顧客に対して相互に送客することにより、販売連携を行っていく予定だ。

JMCとSTGの業務提携内容まとめ

	JMC	STG
主な事業領域	3Dプリンター、非鉄砂型鋳造、CT	マグネシウム合金部品、アルミニウム部品
強み	非鉄砂型鋳造、大型鋳造品対応	マグネシウム金型鋳造技術、グローバル展開
提携による期待効果	量産提案力の強化、海外展開	試作ノウハウ獲得、営業力強化
今後の方針	ダイカスト工法の知見活用	デジタルマーケティング強化

ギガキャストについて

ギガキャストとは、大型の鋳造設備を用いて複数のアルミ合金部品を1つのパーツとして成型し、大型の車体部品を生産する方法のことを指している。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

複数部品を一体成型することによる生産効率の向上
車体の軽量化と剛性向上の両立
自動車生産工程の簡素化と製造コストの削減

JMCは自動車生産工程のギガキャスト化を見据え、試作段階での大型アルミニウム鋳造品の提案を強化している。この技術は、自動車産業における軽量化と生産効率向上の要求に応える重要な解決策として注目されており、JMCとSTGの業務提携によって、より高度な技術開発と提案が可能になると期待されている。

JMCとSTGの業務提携に関する考察

JMCとSTGの業務提携は、非鉄鋳造業界における技術革新と市場拡大の観点から高く評価できる。両社の強みを組み合わせることで、従来は対応が難しかった製品や市場へのアプローチが可能となり、顧客に対してより幅広いソリューションを提供できるようになるだろう。特に、JMCの非鉄砂型鋳造技術とSTGのマグネシウム合金技術の融合は、軽量化が求められる自動車産業などに新たな価値をもたらす可能性がある。

しかし、異なる企業文化や技術体系を持つ両社の統合には課題も予想される。技術の融合や人材交流を円滑に進めるためには、明確なコミュニケーション戦略と共通のゴール設定が不可欠だ。また、グローバル展開を視野に入れた場合、各国の規制や市場ニーズの違いに対応できる柔軟な生産体制の構築も課題となるだろう。

今後、両社には環境負荷の低減や持続可能な生産プロセスの確立など、社会的要請に応える技術開発が期待される。特に、リサイクル性の高い素材開発や、エネルギー効率の良い生産方法の確立は、業界全体の課題解決にも貢献するはずだ。JMCとSTGの提携が、非鉄鋳造業界全体の技術革新と持続可能な成長の起爆剤となることを期待したい。