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公開：2024-08-11

ITSSとは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

ITSSとは

ITSSは、情報技術サービス管理のための基準を定めたものです。この基準は、ITサービスの品質向上と効率化を目的としており、ITサービスの提供者と利用者の両方に役立つものとなっています。

具体的には、ITSSではITサービスの管理プロセスを定義し、そのプロセスに関わる人材のスキルや知識を明確化しています。これにより、ITサービスの提供者は一定の品質を保ちながら効率的なサービス提供が可能となります。

また、ITSSではITサービスの品質を評価するための指標も提供しています。この指標を用いることで、ITサービスの利用者は提供されるサービスの品質を客観的に評価することができるようになります。

ITSSは、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で開発した国際標準ISO/IEC 20000シリーズをベースとしています。日本では、経済産業省が2006年にITSSを制定し、その普及と活用を推進しています。

ITSSは、ITサービスの品質向上と効率化に大きく貢献するものであり、ITサービスの提供者と利用者の双方にとって重要な基準となっています。今後もITSSの普及と発展が期待されています。

ITSSの目的と効果

ITSSの目的と効果に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• ITサービスの品質向上と効率化
• ITサービス管理プロセスの標準化
• ITサービス人材のスキル向上

ITサービスの品質向上と効率化

ITSSの主な目的は、ITサービスの品質向上と効率化です。ITSSではITサービスの管理プロセスを標準化することで、サービス提供者は一定の品質を保ちながら効率的な運用が可能となります。

また、ITSSではITサービスの品質を評価するための指標も提供しています。この指標を活用することで、サービス利用者は提供されるサービスの品質を客観的に評価でき、適切なサービス選択が可能になります。

ITSSの導入により、ITサービスの品質向上と効率化が図られ、サービス提供者と利用者の双方にメリットをもたらすことができます。これがITSSの大きな目的であり、期待される効果の一つです。

ITサービス管理プロセスの標準化

ITSSでは、ITサービスの管理プロセスを標準化しています。具体的には、サービスデリバリープロセス、サービスサポートプロセス、サービス品質管理プロセスなどが定義されています。

これらのプロセスを標準化することで、サービス提供者は一貫した方法でITサービスを管理できるようになります。また、プロセスの可視化により、問題点の早期発見と改善が容易になります。

ITサービス管理プロセスの標準化は、サービス提供者にとって運用の効率化とサービス品質の安定化につながります。これはITSSの重要な目的の一つであり、導入による大きな効果といえます。

ITサービス人材のスキル向上

ITSSでは、ITサービスの管理に関わる人材のスキルや知識を明確化しています。具体的には、サービスマネージャー、サービス企画、サービス設計、サービス移行などの職種に必要なスキルが定義されています。

これにより、サービス提供者は人材育成の指針を得ることができ、体系的なスキル向上が可能となります。また、個人にとっても自身のスキルを客観的に評価でき、キャリア開発に役立てることができます。

ITサービス人材のスキル向上は、サービスの品質向上と安定運用に直結します。ITSSではこの点に着目し、人材育成の支援を目的の一つとしているのです。

ITSSの対象とする範囲

ITSSの対象とする範囲に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• ITサービスの提供プロセス全般
• ITサービスに関わる組織と人材
• ITサービスの評価指標

ITサービスの提供プロセス全般

ITSSは、ITサービスの提供プロセス全般を対象としています。具体的には、サービス戦略の立案からサービスの設計、移行、運用、改善までのライフサイクル全体が含まれます。

各プロセスにおいて、実施すべき活動や作成すべき成果物が定義されています。これにより、サービス提供者は一貫した方法でITサービスを管理することができます。

ITSSは、ITサービス提供プロセス全体を網羅的にカバーしています。これにより、サービスの品質向上と効率化を実現するための基盤を提供しているのです。

ITサービスに関わる組織と人材

ITSSは、ITサービスに関わる組織と人材も対象としています。具体的には、サービス提供者内の各部門(企画、開発、運用など)や、サービス利用者との連携などが含まれます。

また、ITSSではITサービス管理に必要な人材のスキルと知識を定義しています。サービスマネージャーやサービス設計者など、職種ごとに求められる能力が明確化されています。

ITSSは、組織の役割分担と人材のスキルを標準化することで、効率的かつ効果的なITサービス提供を支援しています。この点もITSSの重要な対象範囲といえます。

ITサービスの評価指標

ITSSは、ITサービスの評価指標も対象としています。具体的には、サービスレベル目標(SLO)やサービスレベル合意(SLA)などの指標が定義されています。

これらの指標を用いることで、サービス提供者はサービス品質を定量的に管理できるようになります。また、サービス利用者は提供されるサービスの品質を客観的に評価することができます。

ITサービスの評価指標は、サービス品質の可視化と継続的な改善に役立ちます。ITSSではこの点に着目し、評価指標の標準化を図っているのです。

ITSSと国際標準との関係

ITSSと国際標準との関係に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• ISO/IEC 20000シリーズとの関係
• ITIL(ITインフラストラクチャライブラリ)との関係
• 日本における国際標準化への貢献

ISO/IEC 20000シリーズとの関係

ITSSは、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で開発したISO/IEC 20000シリーズをベースとしています。このシリーズは、ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)に関する要求事項を定めた国際標準です。

ITSSは、ISO/IEC 20000シリーズの要求事項を満たすように設計されており、国際標準との整合性が図られています。これにより、グローバルな視点でのITサービス管理の標準化が可能となります。

ISO/IEC 20000シリーズとの関係は、ITSSの国際的な位置づけを示すものであり、その重要性を裏付けるものといえます。ITSSは国際標準を踏まえつつ、日本の状況に合わせて策定された標準なのです。

ITIL(ITインフラストラクチャライブラリ)との関係

ITSSは、英国政府機関が開発したITIL(ITインフラストラクチャライブラリ)とも関連しています。ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集約したフレームワークです。

ITSSとITILは、ともにITサービス管理の効率化と品質向上を目的としています。ITSSの策定にあたっては、ITILの考え方が参考にされており、両者の間には親和性があります。

ITILは世界的に広く認知されたフレームワークであり、その考え方をITSSが取り入れていることは、標準の有用性を高める上で重要な意味を持っています。ITSSはITILとの整合性を保ちつつ、日本の実情に合わせた標準となっているのです。

日本における国際標準化への貢献

日本は、ISO/IEC 20000シリーズの開発に積極的に参画しています。経済産業省は、日本工業標準調査会(JISC)を通じて、国際標準化活動に貢献しています。

また、ITSSの策定は、日本からのISO/IEC 20000シリーズへの提案にもつながっています。日本の経験と知見が国際標準に反映されることで、よりグローバルな視点でのITサービス管理の標準化が期待できます。

日本におけるITSSの取り組みは、国際標準化への貢献という側面も持っています。日本発の標準であるITSSが国際的に認知されることは、日本のIT産業の発展にもつながる重要な意義があるのです。

参考サイト

1. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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