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EA(Enterprise Agreement)契約とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EA(Enterprise Agreement)契約とは

EA契約とはEA(Enterprise Agreement)の略称で、企業向けのマイクロソフト製品を一定期間利用できる契約形態のことを指します。EA契約では企業規模に応じた最適なライセンス体系を選択し、ボリュームディスカウントを適用することで、コスト削減を図ることができます。

EA契約の最低契約ライセンス数は通常500ライセンスからとなっており、大規模な企業に適した契約形態といえます。契約期間は3年間で、この期間内は追加料金なしでマイクロソフト製品を利用できるため、長期的な予算計画が立てやすいのが特徴です。

EA契約ではデスクトップOSやOffice、サーバー製品など、企業ITインフラの基盤となる主要製品を包括的にカバーしています。また、クラウドサービスであるMicrosoft 365やAzureなども、EA契約の対象製品に含まれています。

契約の運用面では専任のアカウントマネージャーが割り当てられ、ライセンス管理や技術サポートなどの各種サービスが提供されます。これにより、企業はマイクロソフト製品を効率的かつ安定的に運用することが可能となります。

EA契約は企業のIT管理コストの最適化と、マイクロソフト製品の戦略的な活用を支援する契約形態といえるでしょう。大規模な企業にとって、EA契約の導入はITインフラの標準化と効率化に大きく貢献するのです。

EA契約のメリット

EA契約に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ボリュームディスカウントによるコスト削減効果
  • 包括的なライセンス管理の実現
  • 最新バージョンへのアップグレードと技術サポートの提供

ボリュームディスカウントによるコスト削減効果

EA契約では一定数以上のライセンスを一括で購入することで、ボリュームディスカウントが適用されます。この割引率は契約規模が大きくなるほど高くなる傾向にあります。

そのため、大規模な企業ほどEA契約によるコスト削減効果を享受できるのです。長期的な観点から見れば、EA契約の導入はマイクロソフト製品の利用コストを大幅に抑制する有効な手段といえるでしょう。

さらに、EA契約ではライセンス数の増減に柔軟に対応できるため、無駄なライセンス費用を払う必要がありません。これにより、企業は実際の利用状況に合わせたライセンス数の最適化を図ることができるのです。

包括的なライセンス管理の実現

EA契約では企業が利用するマイクロソフト製品のライセンスを一元的に管理することができます。これにより、ライセンスの過不足や、違法コピーの使用といったコンプライアンス上の問題を防ぐことができるのです。

また、EA契約にはライセンス管理ツールが提供されており、企業はこのツールを用いて、ライセンスの割り当て状況や利用状況を把握できます。この情報を基に、ライセンスの再配分や、不要なライセンスの削減などを行うことで、ライセンス資産の最適化を実現できるでしょう。

加えて、EA契約ではマイクロソフト製品の利用状況を定期的に報告する義務があります。この報告プロセスを通じて、企業は自社のIT資産の状況を正確に把握することができるのです。

最新バージョンへのアップグレードと技術サポートの提供

EA契約では契約期間中に限り、マイクロソフト製品を最新バージョンにアップグレードすることができます。これにより、企業は常に最新の機能や性能を利用できるようになります。

特に、セキュリティ面での更新が頻繁に行われるOSやOfficeなどの製品では最新バージョンへのアップグレードが重要です。EA契約を導入することで、企業はセキュリティリスクを低減しつつ、生産性の向上を図ることができるのです。

さらに、EA契約では専任のアカウントマネージャーによる技術サポートが提供されます。トラブル発生時には迅速な問題解決が可能となり、企業のビジネス継続性を高めることができるでしょう。

EA契約の注意点

EA契約に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 3年間の長期契約によるコミットメントの必要性
  • ライセンス管理の適切な運用の重要性
  • 契約終了後の移行プランの策定

3年間の長期契約によるコミットメントの必要性

EA契約は3年間の長期契約となるため、企業はこの期間のマイクロソフト製品の利用についてコミットする必要があります。そのため、契約開始前に、3年間の利用計画を慎重に策定しなければなりません。

特に、クラウドサービスの利用を検討している場合はサービス内容や料金体系が変更される可能性があることを考慮する必要があるでしょう。長期的な視点に立ち、柔軟性を持った利用計画を立てることが重要です。

また、EA契約では最低契約ライセンス数が設定されているため、企業規模に合わない契約を結ぶと、かえってコストが高くなる恐れがあります。自社の利用状況を正確に把握した上で、適切な契約内容を選択することが求められます。

ライセンス管理の適切な運用の重要性

EA契約では包括的なライセンス管理が可能となる一方で、その運用には注意が必要です。ライセンスの割り当てや回収、利用状況の把握などを適切に行わないと、ライセンス違反のリスクが高まります。

特に、従業員の入退社に伴うライセンスの割り当てと回収は確実に行う必要があります。また、不要なライセンスを放置していると、コストの無駄になるだけでなく、ライセンス管理の実効性が損なわれてしまいます。

EA契約のライセンス管理ツールを活用し、定期的にライセンスの棚卸しを行うことが重要です。適切なライセンス管理の運用を行うことで、コンプライアンス上のリスクを低減し、コスト最適化を実現できるでしょう。

契約終了後の移行プランの策定

EA契約は3年間の期限付き契約であるため、契約終了後の移行プランを事前に策定しておく必要があります。契約終了後も、マイクロソフト製品を継続して利用する場合は新たな契約形態への移行が必要となります。

この移行プロセスを円滑に進めるためには十分な準備期間を確保し、新しい契約内容や利用形態を検討しておくことが重要です。また、クラウドサービスを利用している場合はデータの移行や、代替サービスの選定なども考慮しなければなりません。

EA契約の更新を検討する場合も、利用状況やコストの観点から、契約内容の見直しが必要です。契約終了後の移行プランを適切に策定することで、マイクロソフト製品の利用における事業継続性を確保することができるのです。

EA契約とクラウドサービスの関係

EA契約に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EA契約におけるMicrosoft 365およびAzureの位置づけ
  • クラウドサービス利用時のライセンス管理の特徴
  • クラウドサービスの利用がEA契約に与える影響

EA契約におけるMicrosoft 365およびAzureの位置づけ

近年、EA契約の対象製品として、クラウドサービスであるMicrosoft 365とAzureが注目を集めています。これらのサービスは従来のオンプレミス製品と比べ、柔軟性や拡張性に優れており、企業のデジタルトランスフォーメーションを促進する役割を担っています。

EA契約ではMicrosoft 365とAzureのライセンスを、オンプレミス製品と同じ契約内で管理できるため、ライセンス管理の一元化が可能となります。これにより、クラウドサービスの利用を検討する企業にとって、EA契約は魅力的な選択肢となっているのです。

また、EA契約を通じてMicrosoft 365やAzureを利用することで、ボリュームディスカウントの適用や、技術サポートの提供といったメリットを享受できます。クラウドサービスの利用をEA契約に含めることで、コスト最適化と運用効率化を実現できるでしょう。

クラウドサービス利用時のライセンス管理の特徴

EA契約でクラウドサービスを利用する場合、ライセンス管理には注意が必要です。クラウドサービスでは利用者数や利用量に応じて課金される従量課金制が一般的であるため、ライセンス数の管理だけでなく、利用状況の把握が重要となります。

特に、Microsoft 365ではユーザーごとにライセンスを割り当てる必要があるため、ユーザー数の変動に応じたライセンス管理が求められます。一方、Azureでは利用するサービスやリソース量に応じた課金体系となっており、利用状況の可視化と最適化が重要です。

EA契約のライセンス管理ツールではクラウドサービスの利用状況を一括で管理できるため、効率的なライセンス管理が可能となります。ただし、クラウドサービス特有の課金体系を理解し、適切な管理運用を行うことが必要不可欠です。

クラウドサービスの利用がEA契約に与える影響

企業におけるクラウドサービスの利用拡大はEA契約のあり方にも影響を与えています。クラウドサービスの利用が進むことで、オンプレミス製品の利用が減少し、EA契約におけるライセンス数の見直しが必要となる場合があります。

また、クラウドサービスの利用を検討する際にはEA契約の更新タイミングを考慮する必要があります。契約期間の途中でクラウドサービスへ移行する場合、ライセンス費用の二重払いが発生する恐れがあるため、移行時期の調整が重要となるのです。

一方で、EA契約にクラウドサービスを含めることで、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッド環境の構築が容易になります。EA契約を活用し、オンプレミスとクラウドを適材適所で使い分けることで、企業のITインフラの最適化を図ることができるでしょう。

参考サイト

  1. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp
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