松本市が市民主体のメタバース「ばーちゃるまつもと」を10月2日にオープン、地域活性化とシビックプライド醸成を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

松本市で「ばーちゃるまつもと」がオープン
市民主体で構築したメタバース空間
産官学民で連携した実証事業の一環

松本市の地域活性化メタバース「ばーちゃるまつもと」が10月2日オープン

デジタルシティ松本推進機構と日立システムズを代表とするプロジェクト共同体は、市民主体で構築した地域活性化メタバース「ばーちゃるまつもと」を2024年10月2日にオープンすると発表した。この実証事業は2023年度から産官学民で連携して進められてきたもので、市内の中高大学生を中心とした市民が主体となって構築に取り組んでいる。^[1]

「ばーちゃるまつもと」は、Web上の仮想現実空間として全世界からアクセス可能な設計となっている。松本市民が信州松本の自然や歴史、風土、食文化などの魅力をデジタルデータとして構築し、広く発信することが可能だ。特に地元の中高大学生は、実際の企業経営者へのインタビューを通じて企業紹介コンテンツを制作するなど、探求教育の一環として主体的に参加している。

このプロジェクトの目的は、市民主体のプロモーションによる「関係人口の創出」と「シビックプライドの醸成」の実現にある。2025年度以降は、より多くの松本市内の企業や市民の参画を促し、運営主体を市民に移行する計画も検討されている。日立システムズは、「ばーちゃるまつもと」と現実の松本市双方における全世界の人の往来を促進し、地域貢献に寄与することを目指している。

「ばーちゃるまつもと」の主な特徴

項目	詳細
アクセス方法	Web上の仮想現実空間、全世界からアクセス可能
構築主体	松本市民（中高大学生中心）
主なコンテンツ	信州松本の自然、歴史、風土、食文化などの魅力
特徴的な場所	湧き水公園、ばーちゃる井上百貨店、六九商店街のアーケード
案内役	ばーちゃるカヨさん
公開日	2024年10月2日

「ばーちゃるまつもと」へのアクセスはこちら

メタバースについて

メタバースとは、現実世界とは異なる仮想空間上に構築された3次元の世界のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ユーザーが自由にアバターを操作し、他のユーザーと交流可能
現実世界の制約を超えた体験や活動が可能
デジタル資産の所有や取引が可能な独自の経済圏を形成

「ばーちゃるまつもと」は、このメタバース技術を活用して松本市の魅力を発信するプラットフォームとして機能している。ユーザーは仮想空間内で松本市の名所や特産品を体験できるだけでなく、地域の人々との交流も可能だ。このような取り組みは、デジタル技術を活用した新しい地域振興の形として注目されている。

「ばーちゃるまつもと」に関する考察

「ばーちゃるまつもと」の最大の利点は、市民主体で構築されたことにより、地域の実情に即した魅力的なコンテンツが提供される点だ。特に中高大学生が主体的に参加することで、若い世代の視点を取り入れた新鮮な地域プロモーションが可能になるだろう。一方で、メタバース空間の継続的な運営や更新には技術的・人的リソースが必要となるため、長期的な運営体制の構築が課題となる可能性がある。

この課題に対しては、地域企業や教育機関との連携を強化し、継続的な人材育成と技術支援の仕組みを整えることが解決策として考えられる。また、ユーザーが自由にコンテンツを追加・更新できるような仕組みを導入することで、より多様で魅力的な仮想空間を維持することができるだろう。今後は、現実世界のイベントとメタバース内のイベントを連動させるなど、リアルとバーチャルを融合させた新しい地域活性化の形を模索してほしい。

「ばーちゃるまつもと」の取り組みは、地方都市におけるデジタル技術活用の先駆的事例として注目される。今後は、メタバース空間内での経済活動の活性化や、他地域との連携による広域的な観光プロモーションなど、さらなる可能性を追求することが期待される。松本市の事例が成功すれば、他の地方都市にとっても参考になる重要なモデルケースとなるだろう。