トノックスが自動搬送ロボットTRATを開発、Japan Mobility Show 2024で路面計測ロボットとして初披露

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

トノックスが搬送用ロボットTRATを開発
Japan Mobility Show 2024で計測ロボットとして展示
AIタスクに特化したNPU搭載の可能性

トノックスの新規開発自動搬送ロボットTRATがJapan Mobility Showに出展

株式会社トノックスは、2024年10月15日から18日に開催されるJapan Mobility Show Bizweek 2024に新規開発の自動搬送ロボットTRAT（型式：TX-UGV01）を出展することを発表した。TRATは東京工業大学との産学連携により開発され、約300kgの牽引が可能で1回の充電で3～4時間の走行が可能な高性能ロボットだ。^[1]

TRATには路面計測技術が搭載されており、Tx-IRIと3D-プロファイラーを組み合わせることで路面の「ひび割れ」「わだち掘れ」「平坦性・IRI」という路面性状3要素の測定が可能となっている。この技術により、建設道路現場や空港の滑走路などでの使用が想定され、大幅な省人化や生産性の向上、遠隔作業による安全性の向上が期待されている。

トノックスは今後、TRATに自動運転化に向けたレーダー、ライダー、カメラ等の機器を搭載し、さらなる機能拡張を計画している。Japan Mobility Show Bizweek 2024では、この革新的な搬送用ロボットが初めてお披露目され、来場者は実際に製品を見学し、その性能を確認することができるだろう。

TRAT（TX-UGV01）の主な特徴

	性能	用途	技術
牽引能力	約300kg	物流、工場内搬送	高出力モーター
稼働時間	3～4時間/充電	長時間作業	高効率バッテリー
計測機能	路面性状3要素測定	道路・滑走路点検	Tx-IRI、3D-プロファイラー
将来計画	自動運転化	無人作業、危険地帯での使用	レーダー、ライダー、カメラ

路面プロファイラーについて

路面プロファイラーとは、道路や滑走路などの表面状態を精密に測定するための装置のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

レーザー変位計やIMUセンサを使用した高精度な測定
路面の縦断プロファイルやIRI（国際ラフネス指数）の算出
GNSSデータと連携した位置情報の記録

TRATに搭載されているTx-IRIは、車両の床下に取り付け可能な路面プロファイラーで、2台のレーザ変位計とIMUセンサを内蔵している。これにより路面の勾配を高精度で検出し、GNSSデータと車速パルスの入力により車両の位置を特定する。測定データは国土交通省の技術検討委員会により新技術活用システムとして承認されており、点検支援技術性能カタログにも掲載されている。

TRATの自動搬送ロボット技術に関する考察

TRATの開発は、工場内の物流効率化だけでなく、建設現場や空港などの特殊環境での作業効率向上にも大きな可能性を秘めている。特に路面計測技術との融合は、インフラ点検の自動化・効率化に大きく貢献する可能性があり、労働力不足や高齢化が進む日本の建設・保守業界にとって画期的なソリューションとなるだろう。ただし、実際の現場での運用には安全性の確保や法規制への対応など、クリアすべき課題も多い。

今後、AIやIoT技術との統合によりTRATの自律性やデータ解析能力がさらに向上することが期待される。例えば、機械学習を活用した路面異常の自動検知や、クラウドと連携したリアルタイムデータ共有などが実現すれば、インフラ管理のデジタル化が大きく進展するはずだ。また、災害時の危険地帯での調査や、宇宙探査ローバーへの応用など、TRATの活躍の場は更に広がる可能性がある。

一方で、このような先進技術の導入には高いコストが伴うため、中小企業や地方自治体での導入障壁が高くなる可能性がある。トノックスには、製品のモジュール化や導入・運用コストの最適化など、幅広いユーザーに受け入れられるビジネスモデルの構築も求められるだろう。産学連携や他企業とのアライアンスを積極的に活用し、日本の製造業の強みを活かしたグローバル展開も視野に入れるべきだ。