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公開：2024-12-05

AstroXとJAXAが気球用プラットフォームの共創活動を開始、懸垂型姿勢制御装置の開発で宇宙輸送システムの革新へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• AstroXとJAXAが気球用プラットフォームの共創活動を開始
• 懸垂型姿勢制御装置の研究開発を共同で実施
• 2027年度までに装置のパッケージ化を目指す

気球用プラットフォームの姿勢制御装置開発でAstroXとJAXAが連携

AstroX株式会社とJAXA宇宙科学研究所は、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップの枠組みのもと、気球用プラットフォーム懸垂型姿勢制御装置の研究開発に関する共創活動を2024年12月3日より開始した。AstroXはすでに試作機の構築・試験を実施しており、今回の共創活動によって飛翔中の気球ダイナミクスや成層圏環境に関する専門的知見の獲得を目指している。^[1]

JAXAは気球を用いた天文観測等の研究実績と搭載大型望遠鏡やセンサの姿勢制御に関する技術・経験を有しており、2023年5月からAstroXとの対話を開始した。この共創活動により、高性能な姿勢制御装置を汎用のシステムとして構築し、次世代の天文観測実験計画を含む様々な実験への利用が可能となる。

開発スケジュールとして、2025年度にはシステムレベルの地上評価試験を実施し、2027年度には姿勢制御装置のパッケージ化を目指している。AstroXは高空での気球を用いた事業の早期実現とともに、HAPSや地上用クレーンなど非宇宙分野製品への適用も視野に入れた事業拡大を図っている。

気球用プラットフォーム開発プロジェクトの詳細

ロックーンについて

ロックーンとは、気球によって高空からロケットを打ち上げる方式のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 気球を使用して成層圏までロケットを運搬
• 高高度からのロケット打ち上げが可能
• 衛星軌道投入サービスへの活用

ロックーン方式は従来の地上発射と比較して、大気圧の低い高高度からロケットを打ち上げることで効率的な衛星軌道投入が可能となる技術だ。AstroXは民間発の国産ロケットスタートアップとして、ロックーン方式による衛星打ち上げサービスの実現を目指している。

気球用プラットフォームの姿勢制御装置に関する考察

気球用プラットフォームの姿勢制御装置開発は、宇宙開発における新たな可能性を切り開く重要なプロジェクトとして注目される。特に気球を用いた天文観測や衛星打ち上げサービスの実現に向けて、高精度な姿勢制御技術の確立が不可欠であり、AstroXとJAXAの技術連携によって開発が加速することが期待できる。

技術面での課題として、成層圏という特殊な環境下での安定した制御性能の確保や、装置の耐久性・信頼性の向上が挙げられる。気象条件による影響を最小限に抑えつつ、長時間の運用を可能にする技術開発が必要であり、地上での評価試験を通じて課題解決を図ることが重要だ。

将来的には、気球を利用した新たな宇宙輸送システムの確立だけでなく、HAPS（高高度プラットフォーム）や地上用クレーンなど、非宇宙分野への技術応用も期待される。特に通信インフラや観測プラットフォームとしての活用が有望視されており、宇宙関連技術の民生利用が広がる可能性がある。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「AstroX と JAXA、気球用プラットフォームとしての懸垂型姿勢制御装置の研究開発に関する共創活動を実施。 | AstroX株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000101722.html, (参照 24-12-05).

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