セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-05

【CVE-2024-11803】Fuji Electric Tellus Lite V-Simulator 5に境界外書き込みの脆弱性、リモートコード実行のリスクが発生

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Fuji Electric Tellus Liteにリモートコード実行の脆弱性
• V-Simulator 5のV8ファイル解析に問題
• ユーザーの操作を介した攻撃が可能に

Fuji Electric Tellus Lite V-Simulator 5の脆弱性を確認

Zero Day Initiativeは2024年11月27日、Fuji Electric Tellus Lite V-Simulator 5においてリモートコード実行の脆弱性【CVE-2024-11803】を確認したと発表した。V8ファイルの解析処理における境界外書き込みの問題により、悪意のあるページの閲覧やファイルを開くことで攻撃者が任意のコードを実行できる可能性が指摘されている。^[1]

この脆弱性は、V-Simulator 5コンポーネントにおけるV8ファイルの解析処理に起因している。ユーザーが提供するデータの適切な検証が行われていないため、割り当てられたデータ構造の末尾を超えて書き込みが発生する可能性があり、攻撃者は現在のプロセスのコンテキストでコードを実行することが可能だ。

Zero Day Initiativeの評価では、この脆弱性はCVSS v3.0で7.8（重要）と評価されている。攻撃の複雑さは低く、特権は不要だがユーザーの操作が必要とされる。機密性、整合性、可用性のいずれもが高い影響を受ける可能性があると指摘されている。

Fuji Electric Tellus Lite V-Simulator 5の脆弱性詳細

境界外書き込みについて

境界外書き込みとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の範囲を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• バッファオーバーフローを引き起こす可能性
• メモリ破壊によるシステムの不安定化
• 任意のコード実行につながる危険性

この脆弱性は、CWE（Common Weakness Enumeration）で分類番号787として識別されており、セキュリティ上の重大な問題として認識されている。境界外書き込みは、データの適切な検証や境界チェックが行われていない場合に発生し、攻撃者によって悪用されると、システムの制御を奪取されるリスクがある。

Fuji Electric Tellus Lite V-Simulator 5の脆弱性に関する考察

V-Simulator 5コンポーネントの脆弱性は、産業用制御システムのセキュリティにおいて重要な示唆を与えている。製造業やインフラ施設で広く使用されているシミュレータの脆弱性は、実際の生産システムにも影響を及ぼす可能性があり、早急な対応が求められるだろう。

今後は、V8ファイルの解析処理におけるユーザー入力の検証強化が不可欠となる。特に、データ構造の境界チェックやメモリ管理の厳格化、入力値のサニタイズ処理の実装など、複数の層での防御策を講じる必要があるだろう。

また、この種の脆弱性に対する継続的なセキュリティ監査とパッチ管理の重要性も指摘できる。産業用システムのセキュリティ強化には、開発者とユーザー双方の意識向上と、定期的な脆弱性診断の実施が望まれる。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-11803 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-11803, (参照 24-12-05).

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