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公開：2024-12-13

キリンビバレッジが海老名物流センターに自動ピッキングソリューションを導入、物流現場の生産性が42%向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• キリンビバレッジが海老名物流センターに自動ピッキングソリューションを導入
• AGVとピッキングロボットによる自動化で生産性が42%向上
• 2025年1月より段階的に自動化設備による出荷量を拡大予定

キリンビバレッジの物流自動化への取り組み

キリンビバレッジとキリングループロジスティクスは、三菱重工業と三菱ロジスネクストが提供するΣSynXによる自動ピッキングソリューションを海老名物流センターに導入し、2024年12月より稼働を開始した。このソリューションでは無人フォークリフトやピッキングロボットが連携して稼働し、従来のコンベヤー設備が不要となることで倉庫レイアウトの柔軟性が向上している。^[1]

2022年11月から2023年6月にかけて実施された共同実証では、自動ピッキングソリューション導入により生産性が42%向上するという成果が得られた。庫内搬送機の渋滞が削減され、オーダー処理順序の最適化が実現したことで、物流現場の作業効率が大幅に改善されている。

本ソリューションは完全自動化への切り替えが可能だが、有事の際の人による作業も考慮したハイブリッド設計を採用している。停電や自然災害などのBCP対策として人手による作業への切り替えが可能であり、物流現場の柔軟な運用を実現している。

自動ピッキングソリューションの概要

ΣSynXについて

ΣSynXとは、三菱重工の標準プラットフォームであり、様々な機械システムを同調・協調させるデジタル・テクノロジーを集約したものである。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 複数の機械システムの同期制御が可能
• 機械システムの知能化による最適運用の実現
• デジタル技術を活用した効率的な制御システム

物流現場における重要な課題である作業者の確保や重筋作業の負担軽減に対して、ΣSynXは効果的なソリューションを提供している。2024年問題への対応として期待されており、三菱重工グループは今後も飲料業界が抱える物流課題の解決に向けて取り組んでいく。

自動ピッキングソリューションに関する考察

キリンビバレッジの自動ピッキングソリューション導入は、人手不足や重筋作業という物流業界の課題に対する具体的な解決策として評価できる。AGFやAGV、ピッキングロボットの連携による自動化は、従来のコンベヤー方式と比較して柔軟性が高く、今後の物流センター設計における新たな選択肢となるだろう。

一方で、完全自動化システムの安定性や信頼性の確保が今後の課題として考えられる。停電や自然災害時のバックアップ体制の整備や、システムトラブル発生時の迅速な対応など、BCPの観点からより詳細な対策の検討が必要となるだろう。

今後は物流センター全体の自動化範囲の拡大や、AIによる需要予測との連携など、さらなる効率化が期待される。飲料業界特有の季節変動への対応や、多品種少量配送への柔軟な対応など、より高度な物流戦略の実現に向けた取り組みが求められる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「海老名物流センター「自動ピッキングソリューション」稼働開始 | キリンホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001115.000073077.html, (参照 24-12-13).

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