文化庁が著作権侵害対策の支援事業を開始、個人クリエイターの権利行使費用を最大400万円まで支援

text: XEXEQ編集部
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記事の要約

文化庁は個人クリエイターの権利保護強化を目的とし、インターネット上での著作権侵害等への権利行使支援事業を2025年1月14日より開始した。本事業では文化庁が開設する相談窓口での弁護士による判断を経て、削除請求や損害賠償請求などの権利行使に必要な費用を支援する体制が整備された。^[1]

支援対象となる費用は削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求に関わるもので、1件あたりの上限額は通常150万円となっている。損害賠償請求に係る経費を含む場合は上限が400万円まで引き上げられ、申請時に1万1000円の自己負担金を除いた額が支援の対象となるだろう。

本事業は一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会の共通目的事業として位置づけられ、一般社団法人日本ネットクリエイター協会が委託を受けて実施する形となっている。文化庁の相談窓口と弁護士知財ネットとの連携により、個人クリエイターの創作環境の改善が推進されることになった。

著作権侵害の蓋然性とは、ある行為が著作権を侵害している可能性が高いことを示す法的な概念である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

文化庁の支援事業では、相談窓口の担当弁護士が著作権侵害の蓋然性を判断し、支援対象となる事案を選定する仕組みが採用されている。弁護士による専門的な判断を経ることで、支援の必要性が高い事案に対して効果的な支援を行うことが可能となっている。

本支援事業の開始により、個人クリエイターが著作権侵害に対して適切な法的対応を取りやすい環境が整備されることが期待される。特に費用面での支援は、経済的な理由で権利行使を躊躇していた創作者にとって大きな助けとなり、インターネット上での著作権保護が強化されるだろう。

一方で、支援事業の運用においては申請から承認までのプロセスの効率化や、支援対象となる事案の選定基準の明確化が課題となる可能性がある。また支援上限額の妥当性や、支援対象となる費用の範囲について、実際の運用を通じた検証と必要に応じた見直しが求められるだろう。

今後は本支援事業を通じて得られた知見を活かし、より効果的な著作権保護の仕組みづくりが進むことが期待される。特に海外サイトでの侵害事案への対応や、権利侵害の予防的な取り組みなど、総合的な著作権保護施策の展開が望まれるところだ。

^ 文化庁. 「SARTRAS共通目的事業「インターネット上の著作権侵害等に対する個人クリエイター等による権利行使の支援」を開始します | 文化庁」. https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/94152701.html, (参照 25-01-21).

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