BBSecが米国法人設立、MICEセキュリティ管理のグローバル展開を加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

BBSecが米国法人BBSec USA, Inc.を設立
MICEセキュリティ管理の研究拠点としてグローバル展開
ギャンブル依存症対策やセキュリティ対策を推進

BBSecの米国法人設立とMICEセキュリティ管理の展開

株式会社ブロードバンドセキュリティ（BBSec）は、2024年8月14日にネバダ州ラスベガスに米国法人BBSec USA, Inc.を設立することを取締役会で決議した。この決定は、MICEセキュリティ管理の研究拠点としてのグローバル展開を推進するためのものだ。MICEの世界市場規模は2030年に1兆6,051億米ドルに拡大すると予想されており、BBSecはこの成長市場でのプレゼンス確立を目指している。^[1]

BBSecの米国法人設立の背景には、ギャンブル依存症の社会問題化や大規模施設へのサイバーセキュリティ攻撃の脅威がある。特に日本では、大阪IRの2029年開業に向けた整備計画が決定し、MICE整備が本格化している。BBSecは、これらの課題に対応するため、世界最大級のMICE市場である米国に拠点を設け、ギャンブル依存症対策や展示会施設のセキュリティ対策の国際的な事業化を進める方針だ。

BBSecは既に、カジノ管理システム大手の米Table Trac, Inc.と日本国内における独占使用許諾権契約を締結しており、AIを用いたギャンブル依存症の予測分析機能の実装研究を進めている。また、株式会社ティ・エム・エフ・アースとの資本業務提携を通じて、動画の超圧縮技術を活用した認証・監視カメラ等のセキュリティ対策も計画している。BBSecは、これらの取り組みを通じて、MICE市場における総合的なセキュリティソリューションの提供を目指している。

BBSecの米国法人設立とMICEセキュリティ対策まとめ

	目的	対象市場	主要パートナー	技術領域
米国法人設立	MICEセキュリティ管理の研究拠点	世界MICE市場	Table Trac, Inc.	ギャンブル依存症対策
日本国内展開	大阪IR対応	日本MICE市場	ティ・エム・エフ・アース	施設セキュリティ
グローバル戦略	国際的事業化	世界統合型リゾート市場	-	AIセキュリティ

MICEについて

MICEとは、Meeting（会議）、Incentive Travel（報奨・研修旅行）、Convention（国際会議）、Exhibition/Event（展示会・イベント）の頭文字を取った造語で、ビジネスイベントの総称を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大規模な経済効果を生み出す高付加価値な事業
国際間の相互理解促進や文化交流の場として機能
都市の競争力や地域経済の活性化に寄与

MICEは新型コロナウイルスの影響で一時的な落ち込みを経験したが、2030年には全世界で1兆6,051億米ドルの市場規模に拡大すると予想されている。日本でも日本政府観光局（JNTO）がMICEの誘致に積極的に取り組んでおり、大阪での統合型リゾート（IR）開業計画と相まって、観光立国実現のための重要な戦略として位置づけられている。BBSecの米国法人設立は、この成長市場におけるセキュリティニーズに応えるための戦略的な動きと言える。

BBSecの米国法人設立に関する考察

BBSecの米国法人設立は、MICE市場の成長とセキュリティ需要の高まりを見据えた戦略的な動きとして評価できる。特に、ギャンブル依存症対策やサイバーセキュリティなど、MICE産業が直面する課題に焦点を当てている点は注目に値する。一方で、米国市場での競争は激しく、BBSecが独自の技術やサービスをどのように差別化し、市場シェアを獲得していくかが今後の課題となるだろう。

BBSecの取り組みは、MICE産業におけるセキュリティ基準の向上に寄与する可能性がある。特にAIを活用したギャンブル依存症の予測分析や、高度な動画圧縮技術を用いた監視システムは、業界に新たな標準をもたらす可能性がある。しかし、これらの技術導入に伴うプライバシー保護の問題や、異なる法規制下での事業展開など、クリアすべき課題も多い。BBSecには、技術革新と倫理的配慮のバランスを取りながら事業を推進することが求められるだろう。

長期的には、BBSecの取り組みがMICE産業全体のセキュリティレベル向上につながることが期待される。特に、日本の大阪IRプロジェクトへの知見の還元や、グローバルなベストプラクティスの確立は、国際的な競争力強化に寄与する可能性がある。BBSecには、研究開発の成果を実用化し、具体的なソリューションとして市場に提供していくことが求められる。同時に、MICE主催者や参加者、地域社会など多様なステークホルダーとの対話を通じて、セキュリティと利便性の最適なバランスを追求していくことが重要だろう。