DX

ディーエックス

公開：2025-03-03

スペースデータとKDDIがバーチャルISS内でのロボット動作実証を開始、宇宙開発コストの削減と運用効率化を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• スペースデータとKDDIがバーチャルISS内でのロボット動作実証を開始
• JAXAの宇宙ロボットInt-Ball2の動作をバーチャル空間で再現
• 宇宙開発コストの削減と運用効率化を目指す取り組み

バーチャルISSでのロボット動作実証プロジェクト始動

スペースデータとKDDIは2025年4月から2025年10月にかけて、JAXAと連携してバーチャル国際宇宙ステーション内でのロボット動作実証を実施することを発表した。Int-Ball2を操作する際のコマンドによってバーチャルISS内のロボットを動作させる技術を開発し、実際のISS内での動作との比較検証を行う計画となっている。^[1]

両社は実際のISS内の宇宙ロボットから取得した映像や重力などの物理環境データを活用し、バーチャルISSの再現率向上を目指している。宇宙機やロボットの設計・開発段階においてバーチャルISSでの多角的な検証を可能にすることで、開発コストの大幅な削減と運用効率化の実現に取り組んでいくのだ。

また両社は2025年3月3日から3月6日までスペインのバルセロナで開催される「MWC Barcelona 2025」においてバーチャルISSを展示することを決定している。パートナー企業にバーチャルISSを体験してもらうことで有用性を確認し、要望の高い機能の追加などを検討していく方針だ。

バーチャルISS実証プロジェクトの概要

宇宙デジタルツインについて

宇宙デジタルツインとは、実際の宇宙環境をデジタル空間上に再現する技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 高精度な三次元空間情報と物理環境の再現が可能
• 宇宙機器開発時のシミュレーションや宇宙飛行士の訓練に活用
• 宇宙ステーションの環境モニタリングにも応用可能

スペースデータは宇宙をデジタル技術によってインターネットのように身近にすることを目指しており、現在はPCゲームプラットフォームのSteamを通じてバーチャルISSを無償公開している。宇宙開発における検証コストの削減と、より多くの企業や個人の宇宙開発参画を促進することが期待されている。

バーチャルISSを活用した宇宙開発に関する考察

バーチャルISSの実現は宇宙開発における大きなブレイクスルーとなる可能性を秘めている。実際の宇宙環境での実験や検証には莫大なコストと時間がかかるため、デジタル空間での事前検証による効率化は宇宙開発の民主化に大きく貢献するだろう。宇宙ステーション運用の効率化も期待できる。

一方で課題となるのは、バーチャル環境の精度と実際の宇宙空間との誤差をどこまで縮められるかという点である。無重力や真空、宇宙放射線といった特殊な環境をどこまで正確に再現できるかが、この技術の実用性を左右することになるだろう。データの蓄積と解析技術の向上が不可欠だ。

長期的には宇宙開発のデジタルトランスフォーメーションが加速することが予想される。より多くの企業や研究機関がバーチャル環境を活用することで、宇宙開発のイノベーションが促進され、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高い。政府の宇宙戦略基金の創設と相まって、宇宙産業の発展が期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「スペースデータとKDDI、バーチャルISS内でのロボット動作実証を開始 | 株式会社スペースデータのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000080352.html, (参照 25-03-03).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「DX」に関するコラム一覧「DX」に関するニュース一覧