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Intelが複数のEthernet製品の重大な脆弱性を公開、特権昇格やDoS攻撃のリスクあり

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Intelが複数のEthernet製品の脆弱性を公開
  • 特権昇格やサービス拒否の可能性がある問題
  • ファームウェアとソフトウェアの更新で対策

Intel Ethernet製品の重大な脆弱性が発見され対策を公開

Intelは2024年8月13日、同社のEthernetコントローラーとアダプターに複数の重大な脆弱性が存在することを公表した。これらの脆弱性は、特権昇格やサービス拒否(DoS)攻撃を可能にする恐れがあり、セキュリティ上の深刻な問題となっている。Intelはこれらの潜在的な脆弱性に対処するため、ファームウェアとソフトウェアの更新プログラムをリリースした。[1]

公開された脆弱性の中でも特に深刻なものとして、CVE-2024-21810、CVE-2024-23497、CVE-2024-23981、CVE-2024-24986が挙げられる。これらはいずれもCVSS基本スコア3.1で8.8(高)、CVSS基本スコア4.0で9.3(重大)と評価されており、認証されたユーザーがローカルアクセスを通じて特権昇格を行える可能性がある。これらの脆弱性は、Linux カーネルモードドライバーの不適切な入力検証や範囲外の書き込みなどに起因している。

また、CVE-2024-24983とCVE-2024-23499は、認証されていないユーザーがネットワークアクセスを通じてDoS攻撃を実行できる可能性がある脆弱性として報告されている。これらはIntel Ethernet Network Controllers and Adapters E810シリーズのファームウェアおよびLinuxカーネルモードドライバーに関連する問題だ。Intelは影響を受ける製品のユーザーに対し、速やかに最新のファームウェアとソフトウェアに更新することを強く推奨している。

Intel Ethernet製品の脆弱性まとめ

CVE-2024-21810 CVE-2024-24983 CVE-2024-23497 CVE-2024-21769 CVE-2024-23981
脆弱性の種類 不適切な入力検証 保護機構の失敗 範囲外の書き込み 制御されていない検索パス ラップアラウンドエラー
影響 特権昇格 サービス拒否 特権昇格 特権昇格 特権昇格
CVSS基本スコア3.1 8.8 高 6.5 中 8.8 高 6.7 中 8.8 高
CVSS基本スコア4.0 9.3 重大 7.0 高 9.3 重大 5.4 中 9.3 重大
対象製品 Ethernetドライバー E810シリーズ Ethernetドライバー I219-LMインストールソフトウェア Ethernetドライバー

CVSSについて

CVSSとは、Common Vulnerability Scoring Systemの略称で、情報システムの脆弱性の深刻度を評価するための業界標準指標である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 0.0から10.0までの数値で脆弱性の深刻度を表現
  • 基本評価基準、現状評価基準、環境評価基準の3つの基準で構成
  • ベンダーや組織間で一貫した脆弱性の評価が可能

CVSSスコアは脆弱性の影響度を客観的に評価するための重要な指標となっている。IntelがこのIntel Ethernet製品の脆弱性に対して公開したCVSSスコアは、多くの脆弱性が「高」または「重大」レベルにあることを示しており、影響を受ける製品のユーザーは速やかな対応が求められる。特にCVSS基本スコア4.0で9.3(重大)と評価された脆弱性は、早急な対策が必要だ。

Intel Ethernet製品の脆弱性に関する考察

Intelが公開したEthernet製品の脆弱性は、ネットワークインフラストラクチャの中核を担う製品に影響を与えるため、その影響は広範囲に及ぶ可能性がある。特に企業や組織のネットワーク環境において、これらの脆弱性が悪用された場合、データ漏洩や業務停止などの深刻な問題につながる恐れがある。一方で、Intelが迅速に脆弱性を公開し、対策を提供したことは評価に値するだろう。

今後の課題として、これらの脆弱性が実際に悪用されるケースが出てくる可能性がある。特に、パッチ適用が遅れている組織や、レガシーシステムを使用し続けている環境が標的となる可能性が高い。対策として、組織はセキュリティパッチの適用プロセスを見直し、迅速かつ確実にアップデートを行える体制を整える必要がある。また、ネットワークセグメンテーションやアクセス制御の強化など、多層防御の観点からセキュリティ対策を再考することも重要だ。

長期的には、Intelのようなハードウェアベンダーが製品開発段階からセキュリティを考慮したデザイン(Security by Design)を採用することが期待される。同時に、ユーザー側も定期的なセキュリティ評価や脆弱性スキャンを実施し、潜在的なリスクを早期に発見・対処する体制を整えることが重要だ。今回の事例を教訓に、ハードウェアセキュリティの重要性がより認識され、業界全体でセキュリティ対策が強化されることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ Intel. 「INTEL-SA-00918」. https://www.intel.com/content/www/us/en/security-center/advisory/intel-sa-00918.html, (参照 24-08-21).
  2. Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html

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