KDDIとJDIが液晶反射板でミリ波エリア化に成功、高速大容量通信の提供範囲拡大へ
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記事の要約
- KDDIらが液晶反射板でミリ波エリア化に成功
- 可搬型の液晶メタサーフェス反射板を開発
- 太陽光パネルとバッテリーで駆動可能
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KDDIなど3社が液晶反射板でミリ波のエリア化に成功
KDDIとKDDI総合研究所、ジャパンディスプレイは、電波の反射方向・範囲を変更できる可搬型のミリ波用液晶メタサーフェス反射板を開発し、2025年2月25日に屋外ビル間でのエリア化実証に成功した。開発された液晶反射板は約50cm×50cm四方で重量約8kgという仕様を持ち、スマートフォンでON/OFFや散乱パターンの変更が可能となっている。[1]
本実証は東京都新宿区西新宿地区で2024年12月21日から2025年3月31日にかけて実施され、商用のミリ波電波を建物の遮蔽で届きにくい場所へピンポイントに反射させることに成功している。実証では低消費電力という特徴を活かし、汎用品の太陽光パネルとバッテリーによる給電での駆動も確認された。
5Gで利用するミリ波は高速で大容量の通信が期待できる一方で直進性が強く、ビルや樹木の影響を受けやすいという特徴がある。液晶反射板の活用により人の往来や通路の幅に合わせて柔軟にミリ波のエリアを構築することが可能となり、屋外のイベント会場などでの活用も期待される。
液晶反射板の仕様まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 約50cm×50cm四方 |
重量 | 約8kg |
制御方法 | スマートフォンでON/OFF、散乱パターンの変更が可能 |
実証期間 | 2024年12月21日から2025年3月31日 |
実証場所 | 東京都新宿区西新宿地区 |
特徴 | 太陽光パネル・バッテリーでの駆動が可能 |
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ミリ波について
ミリ波とは、波長がミリメートル単位の電波を指し、主に5Gの高周波数帯域として利用される通信技術である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 高速で大容量の通信が可能
- 直進性が強くビルや樹木の影響を受けやすい
- 駅のホームや競技場など人が集中する場所での活用に適している
Beyond 5G/6G時代に向けてトラフィックの継続的な増加が見込まれるため、ミリ波を含む高周波数帯の活用が必要不可欠とされている。KDDIではミリ波の基地局と連携しながら自律的かつ連続的なエリア形成を可能にした無線中継技術も開発しており、エリア拡大に向けた取り組みを進めている。
液晶反射板によるミリ波エリア化に関する考察
液晶反射板の開発成功は、ビルや建物による電波の遮蔽という5Gの課題に対する重要な解決策となる可能性を秘めている。特に都市部での通信環境改善に大きく貢献し、高速で安定した大容量通信の提供範囲を効率的に拡大できることが期待される。
今後は液晶反射板の設置コストや維持管理の課題、気象条件による影響などについての検証が必要となるだろう。また太陽光パネルとバッテリーによる給電システムの長期的な安定性や、より効率的な電力管理システムの開発も重要な検討事項となる。
Beyond 5G/6G時代を見据えた場合、液晶反射板技術のさらなる発展により、通信インフラの柔軟性が飛躍的に向上する可能性がある。特に大規模イベントでの一時的な通信需要への対応や、災害時の通信確保など、様々な用途での活用が期待できる。
参考サイト
- ^ KDDI. 「液晶反射板でミリ波を反射させ、屋外ビル間をエリア化する実証に成功 | KDDI News Room」. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-468_3744.html, (参照 25-03-03).
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