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公開：2025-03-04

スペースデータとKDDIがバーチャルISS内でのロボット実証実験を開始、宇宙開発の効率化に向けた取り組みを加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• スペースデータとKDDIがバーチャルISS内でのロボット実証を開始
• JAXAの宇宙ロボットInt-Ball2の動作検証を実施
• 宇宙開発コストの削減と運用効率化を目指す取り組み

スペースデータとKDDIによるバーチャルISS実証実験の開始

スペースデータとKDDIは2025年4月から10月にかけて、JAXAと連携して開発したバーチャル国際宇宙ステーション内でロボットを動作させる実証実験を実施することを2025年3月3日に発表した。ISSで稼働するJAXAの宇宙ロボットInt-Ball2を操作するコマンドを用いて、バーチャルISS内のロボットを動作させる技術を開発している。^[1]

両社はバーチャルISS内に宇宙ロボットの動作を再現し、実際のISS内の宇宙ロボットを同様のコマンドで操作した際の動作と比較検証を行う予定だ。実際のISS内の宇宙ロボットから取得した映像や重力などの物理環境データを基に、技術の精度とバーチャルISSの再現率向上を図っていく。

本実証実験はJAXAの「きぼう」有償利用制度を活用して実施される。政府が2024年4月に1兆円の宇宙戦略基金を創設し、2040年には宇宙市場が1兆ドル規模になると予測されているため、宇宙事業の民間参入を促進する取り組みとしても注目を集めている。

バーチャルISS実証実験の概要

宇宙ロボットInt-Ball2について

Int-Ball2は、JAXAが開発した国際宇宙ステーションで稼働する宇宙ロボットのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• ISSでの宇宙飛行士支援を目的とした船内ドローン
• 地上からの遠隔操作による自律飛行が可能
• 写真や動画の撮影などの作業を代行

Int-Ball2はバーチャルISSでの実証実験において、実際のISS環境での動作と比較検証するための重要な役割を担っている。映像データや物理環境データを取得することで、バーチャルISSの精度向上と宇宙開発の効率化に貢献することが期待されている。

バーチャルISS実証実験に関する考察

バーチャルISSを活用した実証実験は、宇宙開発における革新的なアプローチとして評価できる。特に開発コストの削減と運用効率化において大きな可能性を秘めており、宇宙機器の設計段階からの多角的な検証が可能になることで、実験や開発の敷居を下げることが期待される。

一方で、バーチャル環境と実環境との差異が課題となる可能性がある。物理環境データの精度向上や、より複雑な状況下での動作検証など、技術的な課題の克服が必要となるだろう。データの蓄積と分析を通じて、より高度なシミュレーション環境の構築を目指すことが重要である。

今後は宇宙開発分野におけるデジタルツイン技術の活用がさらに進むと予想される。特に民間企業の参入を促進する効果が期待でき、宇宙ビジネスの活性化にもつながるだろう。宇宙開発のデモクラタイゼーションという観点からも、この取り組みの成果は注目に値する。

参考サイト

1. ^ KDDI. 「スペースデータとKDDI、バーチャルISS内でのロボット動作実証を開始 | KDDI News Room」. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-457_3733.html, (参照 25-03-04).

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